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天狐あやかし秘譚
第8章 針小棒大(しんしょうぼうだい)
「危ない!綾音!」

ボン、と動けない私をダリが押しやる。背後で大足が何かを踏み潰す轟音が響く!

「ダリ!!!」

振り向くと、そこではダリが倒れていた。
まさ・・・か・・・。

私を・・・助けようとして?

「ダリ・・・」
なんとか立ち上がると、フラフラとダリに近づく。口の端から血が・・・。もしかして、内蔵が?

「ダリ!・・・ダリ!!!」
上半身にすがりつき、体を揺する。
嘘・・・嘘でしょ!?

薄っすらと目を開ける。良かった・・・意識はあるのね?
息が、荒い。相当苦しそうだ。

「あ・・・やね・・・。すまない・・・油断した・・・」
「ダリ!大丈夫?ねえ!ねえ!!」

ダリが苦しそうだけど、私にはどうすることもできない。ただ体を擦ってあげることしかできない。

「・・・・・つ・・・つーぎーはー、おまーえーだぁ!!」

どうしよう・・・どうしよう、どうしよう!

また、大鬼が足を大きく持ち上げる。それがスローモーションのように見える。
すぐそばには、まだ大の字に眠っている清香ちゃんがいる。

守らなきゃ・・・二人とも・・・なんとか・・・なんとか!!

「綾音・・・これを・・・これを使え・・・」
ダリが、私にあの古い槍を握らせる。

これ・・・ダリの武器?
これで、守れるの?

足が震える・・・膝が笑ったようにガクガクする。
それでも震える身体にムチを打ち、私は立ち上がる。私が守らなきゃ・・・。ダリを、清香ちゃんを。いつも守ってもらってばかりだから、今日は!今日こそは私が!!
槍の構え方なんてわからない。わからないから、竹刀のように両手で持って正面に構えた。

「おおお・・・!!!」

大きく足を振り上げた鬼が、私の構える槍を見て明らかに怯える。
・・・やっぱり、この槍・・・強いの!?
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