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天狐あやかし秘譚
第83章 一業所感(いちごうしょかん)

☆☆☆
ぴいいいいいいん
清浄な音が、周囲に響いた。
それは、願いが、想いが、響く音だった。
触れ合った唇から、ダリの身体に注がれる。
綾音の、清らかな願いが、入り込んできた。
2000年前に天狐となったダリは、人々の願いを受ける存在になった。清浄な想いが彼の力の源だった。1000年、彼は人を救い続けた。人の願いに応え続けた。しかし、それは、最強の妖狐として、神にも近しい存在として、たったひとりで力を振るい続ける孤独な戦いでもあった。
ああ・・・そうだ
1000年待った。そして、お前に出会ったのだった。
碧(あお)よ
我が『結びの巫女』よ・・・。
主に守られ、生き長らえ
もう、二度と会えぬと思った時の果て
主と同じ匂いの、同じ魂の者に
我は出会えたぞ
碧よ、聞いているか?
此奴の名は、綾音
お前と同じ事をしようとしている
こやつもまた、
我を守ろうというのだ。
その生命に代えて
今度こそはこぼさない
我が・・・我が守る
あの時、主にそう誓った・・・誓ったな・・・
碧よ!
ぴいいいいいいん
清浄な音が、周囲に響いた。
それは、願いが、想いが、響く音だった。
触れ合った唇から、ダリの身体に注がれる。
綾音の、清らかな願いが、入り込んできた。
2000年前に天狐となったダリは、人々の願いを受ける存在になった。清浄な想いが彼の力の源だった。1000年、彼は人を救い続けた。人の願いに応え続けた。しかし、それは、最強の妖狐として、神にも近しい存在として、たったひとりで力を振るい続ける孤独な戦いでもあった。
ああ・・・そうだ
1000年待った。そして、お前に出会ったのだった。
碧(あお)よ
我が『結びの巫女』よ・・・。
主に守られ、生き長らえ
もう、二度と会えぬと思った時の果て
主と同じ匂いの、同じ魂の者に
我は出会えたぞ
碧よ、聞いているか?
此奴の名は、綾音
お前と同じ事をしようとしている
こやつもまた、
我を守ろうというのだ。
その生命に代えて
今度こそはこぼさない
我が・・・我が守る
あの時、主にそう誓った・・・誓ったな・・・
碧よ!

