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天狐あやかし秘譚
第83章 一業所感(いちごうしょかん)
☆☆☆
後日談を話そう。

この世界に顕現しかけた黄泉の国の女王であるイザナミは、ダリの『清涼なる風』によって元の黄泉の国に押しやられた。その後、やってきた土御門らの陰陽寮の精鋭たちにより、黄泉の国の岩戸は再び閉じられることになった。

地上に目を向けると、神宝・蛇肩巾を持ったクチナワ、本名を柳田竜二というが、は陰陽寮によって神宝を剥奪、身柄を拘束されている。今後、殺人未遂及び呪力不法行使の罪で起訴される予定だ。

次にカダマシのことだ。
黄泉平坂の戦いでダリと交戦したカダマシの正体は直ぐに判明した。本名、京本雄一、3年前に自宅で母親の首を絞め、そのまま行方不明になっていた人物だった。当時が中3とのことだったので、驚くことに彼はまだ18歳そこそこなのだ。
京本は戦闘中に暴走した神宝の力のせいで絶命の危機にあったが、ダリの機転で暴走のエネルギーが黄泉平坂に逃がされたこと、及び戦闘終了後に素早い救命措置がなされたことなどが奏功し、最悪の事態を免れることができた。それでも、発見時は瀕死であったことから、医療用ヘリにより宮内庁病院に緊急搬送され、数回の手術を経て一命を取り留めたという次第だった。なお、その手術の際に医師を驚かせていたのは、彼の心臓に神宝・生玉が埋め込まれていたことであった。この生玉を心臓から取り出す手術が最も難航したそうだ。

こうして、生玉の呪力から解放された京本であったが、その乱用による身体への反作用は甚大だった。実は、彼は戸籍上はまだ18歳だったのだが、手術が終わった後の容貌はとてもそうは見えなかったらしい。医師の所見では肉体年齢は80歳を超えていたということだった。結果論で言えば、あの暴走がなかったとしても、生玉を使い続けていれば、彼の寿命が尽きるのは時間の問題だったということだった。

今、彼はまだ意識不明のままであるが、先日、集中治療室からは出られたようだった。医師によれば心霊治療の効果もあり、肉体の年齢は現在60歳ほどまで回復をしているとのことである。意識が戻るかどうかは五分五分といったところのようだ。彼もまた目が覚めた場合、傷害罪、強制性交罪を始めとした複数の罪状で起訴されることとなっているので、そうなったらなったで、彼にとっては辛い日常が待っているものと思われた。
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