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天狐あやかし秘譚
第86章 能鷹隠爪(のうよういんそう)
☆☆☆
【同時刻:令和島にて】

「今何時?」
「20時40分」
「間に合うのか?」
「そう信じたいね」

煌煌と月明かりが照らすコンテナ倉庫街を前に、御九里と九条が辺りをうかがう。
御九里は相変わらずの黒系のパンクファッション、レザーのベルトが体中に巻き付いたような不思議なデザインで、肩のあたりにはシルバーの棘があしらわれている。一方、九条の方はラフな白シャツにダークグレーのチノパンという非常に爽やかなスタイル。同期である二人の陰陽師は、なんとも対照的なファッションセンスを見せていた。

二人は、日暮の消息不明の報を受けた土門から、その捜索及び救助を依頼され、この島にたった今、辿り着いたばかりだった。この島に来る、というところまでは日暮の式神『猫神』に託されたメッセージから読み取れた。

猫神が運んできたメッセージによると、「今夜、この島の何処かから坂本愛理が海外に売り飛ばされる」ことが示唆されていた。それ以外に、愛理が『薬』を手に入れたルートと思しき売人が数人特定されていた。売人の方は別の陰陽師の部隊が警察と協力して謙虚に当たっているところだ。

メッセージが送られてきた経緯から、日暮はこの島に来ており、愛理を助けようとしたことは明確だ。いや、もしかしたら、居場所だけを特定し、陰陽寮に連絡を取ろうとしたのかもしれない。しかし、猫神を通じた連絡の後、日暮からの通信は一切ない。

なにか不測の事態があった、としか思えない。

そもそもが、こんな風に単独行動すること自体、普段の慎重、というか、臆病な日暮の性格からは考えられない、と土門は言っていた。
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