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天狐あやかし秘譚
第11章 【第4話 女怪】福善禍淫(ふくぜんかいん)
☆☆☆
まずい・・・ほんっとーに、まずい。

退去期限が1週間後に迫ってきている。まだ、家の目星がつかない。つかないまま、条件だけが厳しくなる。

広さが必要になった。
居候が増えた。ダリ、清香ちゃん、そして、芝三郎。
それに、やっぱりベッド大きくしたい。一緒にダリと寝たい。
寝室、それなり大きくないと無理。

こうなると、物件は新婚向けというより、ファミリー向けに目を向けざるを得ない。予算を大きくオーバーする。大体、仕事の宛もない。

これは・・・詰んでいるのでは?

目の前で芝三郎が狸姿でゴロゴロ転がり、それを清香ちゃんがキャッキャいって喜んでいる。ダリはテレビのニュースを見て、尻尾をゆーらゆーら揺らしている。興味があるんだろうな。

画面では、ニュースで最近立て続いている若い女性の自殺について専門家が語ってる。曰く、ワンストップサービスが必要とか、若い女性が孤独に苛まれている現状などについてコメントしている。

それ、楽しいのか?ダリよ。

まあ、とにかく、今、私も孤独だよ。
ダリは超強いが、少なくとも不動産問題の解決にはあまり役立たない。

今朝、ポツリと家の悩みを口にした時には『異界に家を作ることは可能だ』などと言っていた。昨日の高級旅館の温泉のような場所も異界のひとつらしい。イメージに近い異界への扉を開き、そこに行くことはダリくらいの妖怪になると容易いことのようだ。ただ、異界の家、と言えば、龍宮城やねずみ浄土みたいな感じなのだろうけど、ああいったやつのお約束というか、なんというか、よくあるパターンとしては『時間の流れが違う』というのがある。昨日は短い時間だったし、ダリが注意してくれていたからさほど問題はなかったようだが、下手したら行って戻るだけで数日、いや数百年経つことも考えられるらしい。

家はできても、暮らしている内に現世に戻ったら何百年も経ってました、では困るのだ。
なので、丁重にお断りした。

困ったなあ・・・。

とは言え、やることはひとつである。今日も今日とて、不動産屋巡りしかない。

「じゃあ、出かけるよ!みんな!」

出かけるにしても、大仕事なのだが・・・。
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