この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第11章 【第4話 女怪】福善禍淫(ふくぜんかいん)
♡ーーーーー♡
【福善禍淫】行いのよい人は幸福が訪れ、悪事をなす人には禍がもたらされること。
善い事をしたらいいことがあって、悪い事をしたら悪いことがあるよ、ってそんな単純じゃなくね?みたいな。
♡ーーーーー♡

ぷわーん

大きな警笛を鳴らしながら、目の前、10メートル程下をかなりのスピードで鉄道が走り去る。秋の抜けるような青い空が目の前に広がる。風は涼しいが、皮膚に日が当たるとチリチリとした熱さを感じる。

1ヶ月ほど前なら、日焼けを気にして、こんな風に立ち尽くすことはなかっただろう。高架下をまた、電車が走り抜ける。

心臓は驚くほど静かだ。これからしようとしていることを考えると、これは不思議なくらいだった。

眼下には数本の線路が前後に伸びている。前方にはターミナル駅が見えていた。そういや、あの駅の近くだったね。あなたと初めて会ったのって。ある意味、運命の出会いともいえるかしら・・・。

眼下をもう一度見る。ドロドロと溶け合って重なり合う幾百人もの蠢く人影が線路にオーバーラップして視える。全員が、裸身の女性だ。それらは互いに互いを引きずり下ろすかのようにもがき、のたうち回り、苦悶の表情を浮かべていた。

仲間・・・私の大切な・・・仲間。
そう、あそこに行けば、寂しくない。怖くない。

ほら、呼んでる。呼んでるよ。
気づけば、ぐちゃぐちゃにもがき苦しんでいた人影が私を見上げ、手招きをしている。笑っている、笑っている・・・。

早く、行かなくちゃ・・・。あそこに堕ちれば、淋しくない、恐くない。
そして・・・彼を・・・今度こそ彼を、私のものに・・・できるんだ。

やっと行ける。これでいい、これでいいのよ。早く・・・早く・・・。
逸る気持ちで、欄干の上に登る。怖さはない。むしろ、恍惚とした悦びが身体を満たす。
もうすぐ行くからね、待っててね。

令児・・・

ふわり・・・と私は欄干から身を躍らせた。
/172ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ