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天狐あやかし秘譚
第99章 焦眉之急(しゅうびのきゅう)
☆☆☆
「はあ・・・すごくいい演奏やったね・・・綾音」
「う・・・うん、そ、そうやね」
あの後、結局、もう一度術をかけたヒロトシさんに服を着てもらい、同じところでバイバイをすることになった。彼からしたら、一瞬、記憶が飛んで、気づいたら周囲が夕暮れに染まっていたと感じられたに違いない。
そんな工作をしていたら、結局私達がコンサート会場に戻れたのは、演奏終了間近だった。要するに、私はほとんど演奏を聞いてはいなかったのである。
なので笑って誤魔化すしかない。
「帰りはこっち?」
「あ、うん・・・そうしようかなっち」
どうしても渋谷方面に帰る気がしなくて、少し遠回りだけど代々木公園の方に向かうことにした。原宿を母に見せるのも悪くないかと思ったのもある。
お腹の中であからさまにしょぼくれている佐那の気配を感じる。
「はあ・・・すごくいい演奏やったね・・・綾音」
「う・・・うん、そ、そうやね」
あの後、結局、もう一度術をかけたヒロトシさんに服を着てもらい、同じところでバイバイをすることになった。彼からしたら、一瞬、記憶が飛んで、気づいたら周囲が夕暮れに染まっていたと感じられたに違いない。
そんな工作をしていたら、結局私達がコンサート会場に戻れたのは、演奏終了間近だった。要するに、私はほとんど演奏を聞いてはいなかったのである。
なので笑って誤魔化すしかない。
「帰りはこっち?」
「あ、うん・・・そうしようかなっち」
どうしても渋谷方面に帰る気がしなくて、少し遠回りだけど代々木公園の方に向かうことにした。原宿を母に見せるのも悪くないかと思ったのもある。
お腹の中であからさまにしょぼくれている佐那の気配を感じる。

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