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天狐あやかし秘譚
第102章 一気呵成(いっきかせい)
♡ーーーーー♡
【一気呵成】物事を一気に達成してしまうこと。
私、本気出したら、すごいんだから♡みたいな。
♡ーーーーー♡

私のうちから飛び出し、己の前に立ちはだかって啖呵を切った佐那を見て、獣が目を細めた。それは、佐那が脅威とするほどのものではない、とヤツが考えていることを如実に示していた。

それはそうだ。勢いよく飛び出したものの、今の佐那の身体は幼児のそれのままであり、ブカブカの巫女服を身にまとい、短い手足を精一杯に突っ張って童顔で凄んでいると言った具合だ。相手があの獣でなくても鼻で笑いたくなるだろう。

それに・・・

そもそも佐那は妖力が切れかけているはず。そして、妖力が切れることは、すなわち、佐那自身の消滅を意味していると言っていたではないか!

そういう目で改めて見ると、確かに佐那の手足や衣はなんとなくうっすら透けて見えているようにも感じる。もしかしたら、立っているだけで精一杯なのかもしれないとも思う。だが、佐那自身はそんな自身の弱体化を見せないように気丈に振る舞っている様子なのだ。

「ほほう・・・妖狐か・・・」

獣の細くなった白銀の目が、更に歪な三日月の形に曲がる。いやらしい笑いを浮かべたまま、おもむろに佐那に近づき、ブン!とそのまま腕を一振りする。それほど力を入れたとは思えないようなその腕の動きですら、佐那は軽々と横薙ぎにされ『ぎゃ!』と短い悲鳴を上げて右手の太い木まで一息に吹き飛ばされてしまっていた。

「佐那!」

一瞬、そちらに目をやったものの、黒い獣がこちらに向かってくるのを見て、私はしゃがんだ姿勢で両手を広げ、背後の女の子を守ろうとする。先程の私と同じだ、恐怖のあまり、女の子も身動きが取れなくなっているらしい。私の背中にしがみついたままガタガタと体を震わせていた。

もちろん、こんなふうに私が立ちふさがったところで無駄だということくらいわかりきっている。佐那が飛び出してくれて、一瞬だけ寿命は伸びたが、事態は何も好転していないのだ。

石釘を・・・と思ったが、それもためらわれた。あの獣は、今、わざとゆっくり迫ってきている。私が少しでも術を発動する素振りを見せれば、すぐに喉笛を噛みちぎられることは想像に難くなかった。
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