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天狐あやかし秘譚
第12章 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)
三日目には、アナルセックスもさせられてしまった。さすがにそんなに早く拡張はしないので、ただただ痛いだけだったのだが、喪失感がすごかった。

すべての穴をもてあそばれ、踏みにじられたという、喪失感・・・。

結局、この地獄の乱交劇から解放されたのは、デートに誘われてから4日後のことだった。

「佳苗・・・俺たちが愛し合ったこと、他言無用な?ほら、いろんな画像とかあるし、お前が最初にセックスしてっていったんだからな?その証拠、あるし・・・わかるよな?」

早朝、自宅近くにたった一人で置いていかれた。
足が震え、涙が・・・止まらない。

悔しかったし、悲しかった。あんなのを信じてしまった自分に怒りが湧いた。
もちろん、撮られた画像で脅されてまた犯されるという不安もある。
いつ、誰にあれを見せられ、辱められるかわからない恐怖もある。

だが最も大きいのは、絶望感だった。

あんな男たちに、いいように身体を弄られて、心まで変えられてしまった。
何もかも変えられてしまった。そして、もう、前の自分には戻れないという確かな感覚があった。

たぶん、あの男たちから離れても、私は何度も何度もあの狂宴を思い出し、自分を慰めてしまうに違いない。卑猥な愛撫を、媚薬入りのローションを、下卑た言葉責めを、肛門への挿入を、求めてしまう。また、あの男たちに身を任せてしまう。

逃げられない・・・。

それが、私の絶望感の正体だった。

その日、本当は出勤だったが、私は休みを取った。そのまま、会社は退職した。
ひたすら、家に閉じこもり、膝を抱えていた。
いつ、倖田の呼び出しがあるか。期待してしまっている自分にまた絶望していた。
暗闇でひたすらに奴らを呪い、同時に渇望もしていた。
どうすることもできない心を抱えて、一人狂ったように呻き続けるしかなかった。

どれだけ時間が経っただろう。その頃は、昼も夜もわからなくなっていた。
ふと、気づくと、部屋に影が立っていた。

女性のようだった。影のようで、顔はわからない。
この世のものではないと分かっていたが、不思議と畏れはなかった。
その人影は、すぐに二人、三人、と増えていった。
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