この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第12章 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)
話を瀬良が引き継ぐ。
「実は、数日前、正確に言えば、狂骨とあなた方が遭遇したときから、調べさせてもらっていました。そちらは天狐様でらっしゃいますね?」
やっぱり知ってた。ダリは『天狐様』と言われたのが嬉しかったのか、若干目を細めている。尻尾がないと感情がわかりにくいが、あれは多分、ドヤ顔だ。

「それから、そちらのお嬢さんは・・・おそらく」
んんっ!私が咳払いをしたので、気を使ったのか、瀬良が言葉を引っ込める。
「ああ、そうでした。すいません。そして、そちらの少年は、芝三郎狸、でらっしゃいますね?」
「おお!拙者にそのような名が冠されておったか!芝右衛門狸のようで、カッコいいのお」
芝三郎はあからさまに嬉しそうにする。通り名があるというのは、有名ということなのだろう。

「あと、失礼ながら、綾音様の状況についてもお調べさせていただきました。現在、無職かつ住居も後数日で退去期限が来る・・・更に言えば、彼氏と思っていた方に多額の現金を貢いだ上、逃亡され、さらにさらに、前に就業していた会社からも賠償請求がありますね。保険でまかないきれない分もあったようで、現在、結構な借金も背負っていらっしゃる・・・」

やめて!そうなんだけど、そんなに客観的に畳み掛けるように言わないでよ・・・。
見ないようにしていた現実が一気に心に押し寄せてくる。

く・・・苦しい・・・。

「そこで!提案なんやけどな?」
土御門がぐいっと身体を前にせり出してくる。私は思わず身を引いてしまう。

「綾音はん、陰陽寮に、就職せーへん?」

・・・。仰ってることが、よくわかりませんが?
ボー然とする私を尻目に、清香ちゃんと芝三郎は美味しそうにケーキやお菓子を頬張り、ダリはおちょこの日本酒を味わっている。

もう一度言います。
「どういうこと・・・ですか?」
/172ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ