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天狐あやかし秘譚
第13章 幽愁暗恨(ゆうしゅうあんこん)

☆☆☆
あれ?・・・俺は一体・・・。
目を開けたつもりだったが、目の前が暗すぎて、まだ目を閉じているのだと錯覚するほどだった。
夢を見ていたのだろうか?もう一度まばたきをしてみる。それでも周囲の暗さに目が慣れることはなかった。自分がどこにいて、どういう状況に置かれているのか、うまく認識できない。
なんだ・・・どうした?
記憶をたどる。今日は、会社から早く帰ってきて・・・家についたところまでは覚えている。それから?
痛っ・・・頭が痛い。頭を押さえようとしたが、なんだか手が動かない。
それからどうした?
影?そうだ、影だ。マンションの鍵を開け、中に入った。奥に進み、リビングに。電気をつけようと壁をまさぐった時、目の前に・・・
ひい!
思い出して背筋が凍る。そうだ、影だ・・・あいつだ。あいつがいた。
目が赤く光った黒い影・・・河西佳苗・・・
あいつが笑った・・・・「見つけた」と。
そこで、俺は意識を失った。
じゃあ、ここは?
やっと目が慣れてきた。周囲の様子が薄ぼんやりとわかるようになってきた。少なくとも自分のマンションではない。なにか、広くて天井の高い部屋にいるようだ。意識を向けると、背中は硬いテーブルのようなものに寝かされている感じがする。
「目・・・覚めたぁ?」
暗闇から声がする。河西の声だ。キョロキョロと見回すが姿は見えない。
「どこにいるか、わかる?わからない?」
さっきとは違う、反対側から声がする。そっちを見るが、やはりいない。
「お仲間も、捕まえたよ。きゃははははは!」
今度は足元から声がする。いったい・・・一体どうなってるんだ!?
さわりと頬が冷たい手で撫でられる。ひっと声を上げ、身をよじろうとしてやっと自分の体の異変に気づく。体が全く動かない。いや・・・手足が・・・ない?!
嘘だろ?
あれ?・・・俺は一体・・・。
目を開けたつもりだったが、目の前が暗すぎて、まだ目を閉じているのだと錯覚するほどだった。
夢を見ていたのだろうか?もう一度まばたきをしてみる。それでも周囲の暗さに目が慣れることはなかった。自分がどこにいて、どういう状況に置かれているのか、うまく認識できない。
なんだ・・・どうした?
記憶をたどる。今日は、会社から早く帰ってきて・・・家についたところまでは覚えている。それから?
痛っ・・・頭が痛い。頭を押さえようとしたが、なんだか手が動かない。
それからどうした?
影?そうだ、影だ。マンションの鍵を開け、中に入った。奥に進み、リビングに。電気をつけようと壁をまさぐった時、目の前に・・・
ひい!
思い出して背筋が凍る。そうだ、影だ・・・あいつだ。あいつがいた。
目が赤く光った黒い影・・・河西佳苗・・・
あいつが笑った・・・・「見つけた」と。
そこで、俺は意識を失った。
じゃあ、ここは?
やっと目が慣れてきた。周囲の様子が薄ぼんやりとわかるようになってきた。少なくとも自分のマンションではない。なにか、広くて天井の高い部屋にいるようだ。意識を向けると、背中は硬いテーブルのようなものに寝かされている感じがする。
「目・・・覚めたぁ?」
暗闇から声がする。河西の声だ。キョロキョロと見回すが姿は見えない。
「どこにいるか、わかる?わからない?」
さっきとは違う、反対側から声がする。そっちを見るが、やはりいない。
「お仲間も、捕まえたよ。きゃははははは!」
今度は足元から声がする。いったい・・・一体どうなってるんだ!?
さわりと頬が冷たい手で撫でられる。ひっと声を上げ、身をよじろうとしてやっと自分の体の異変に気づく。体が全く動かない。いや・・・手足が・・・ない?!
嘘だろ?

