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天狐あやかし秘譚
第14章 暗雲低迷(あんうんていめい)
☆☆☆
「しっかし、気色悪いな・・・。なんでこないに湧いとんねん」

土御門が歩きながらぼやく。周囲には一見無目的に動き回っている女怪が、視認できるだけでも20体くらいはいる。あるものは地面を歩き、あるものは這いずり、壁にへばりつくようにしているものもいる。女怪たちはチラチラを土御門とダリを見てはいるが、特段組織立って襲ってくることはないようだ。

おかしい・・・。連続自殺事件の被害者言うても、せいぜい10人位。ということは、今回女怪にされたのもそれくらいの人数のはずや。なのに、視認できるだけで50体位おる。

この結界、おそらく祭部の誰かが臨時で張っているんだろうけど、ざっと見た感じ、半径3キロくらいあった。必要があったから、それだけの結界を張ったちゅうことだ。

今の目に見えている範囲が約100メートル位だとすると、そこに少なく見積もって20、隠れてるのも入れて30程度と見積もったとする?もし、半径3キロで同じ密度で女怪がうろついているとすると・・・。

『2万7千!!?』

うそやろ?計算まちごうたか?

とてつもなく異常なことが起こっている。早く、核となる女怪を見つけなくては。こんなものが東京中に溢れ返ったら洒落にならない。

「天狐はん・・・急ごう」
陰の気が濃い所、そこを目指し歩いていく。ただ、これだけ妖魅が溢れていると、どっちの方が濃度が濃いかというのがとても判別しにくい。こういうことに長けている占部の術者を一人くらい連れてきたら良かった。

なんかの役に立つだろうと思って連れてきた天狐はのんきにブラブラと歩いてくる。あまりやる気があるようには見えない。

まあ、そう見えるのはお互い様か・・・。

さっきから一言も喋りゃしない。まあ、綾音とかいう女のそばでもそんなに喋る狐じゃなかったから、そもそも無口なんかもしれんが・・・。無言で歩いているのもなんとなく気まずいなと思った。
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