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天狐あやかし秘譚
第14章 暗雲低迷(あんうんていめい)
土御門は持っている大太刀を鞘から引き抜く。
刃渡りが88.2センチ。いわゆる日本刀ではなく、古代に用いられた反りのない太刀である。刀身には三公五帝・南斗・北極・北斗・白虎・青龍が刻まれており、退魔滅殺の効果を有する。
土御門家に代々伝わる製法で作られる、国家を守護するための二振りの太刀のひとつであり、その名を、『将軍剣』といった。

だっさいからこの名前好きくないんやけどな。

もっと、「七星辰剣」とか「十束の剣」とか、中二病ぽい名前にしてやろと思たけど、親父にえらい怒られた。

ご先祖様がつけた名前、そのまま使わせてもらうしかないっちゅーことね。

土御門が剣を下に向けた独特の構えを取る。地龍の構えに似ていると言われたことがあるが、これは我流だ。戦いの中で動きやすく、かつ、対応しやすいということで身につけてきた。

「行くで!」

ざっと走り出す。天狐はあまり当てにしていない。動かなかったらそれでいい。動けばラッキーだ。ただ、わいが想像している通りやったら、役立つんと違うかな?

群れをなす女怪の中心に走り込み、剣を切り上げるように一閃。次いで、ぐるっと体をねじり、横薙ぎにした。それだけの動きで数十体の女怪が一気に塵となって消えていく。

この剣そのものの退魔の力もさることながら、振る際に込めている霊力の効果も大きい。

『助の一位』、それが土御門加苅に与えられた位階であり、彼の強大な霊力を一番直接的に表している。

宮内庁陰陽寮には多くの術者が在籍している。一人前と認められると陰陽師の称号を冠する。そして、陰陽師の中でも特に霊力が強い者は『陰陽博士』と呼ばれる。その陰陽博士にだけ『位階』が与えられるのだ。

位階とは、「頭(かみ)、助(すけ)、丞(じょう)、属(ぞく)」の4階級と、「一位から四位」までの4位で成り立っている。頭(かみ)には位はないので、実質13の位階が存在する。

頭(かみ)は陰陽寮の長官であるので除外するとして、その下の位階で最も高いのが『助の一位』となる。

土御門に与えられているのは、この最強の位階であった。
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