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天狐あやかし秘譚
第124章 二転三転(にてんさんてん)
ちょうど陰陽師たちの動きも鈍くなったところだ。まず真っ先にあの奇妙な術を使おうとしているヤツ・・・ここの頭領を討ってやろう。そんな事を考えていた。
オキナは手を軽く振り、次々と湧き上がる妖魔たちに指示を伝える。
「あいつを討て」
一瞬、身を硬直させた妖魔たちが、一斉にその攻撃の矛先を本陣前の烏丸に向ける。オキナがまたニヤリと笑い、また、油断なく綾音たちの方に目をやり続ける。
青い光が極限に達した時、烏丸の目が開いた。そこには星のそれに似た蒼白の静かな光が宿っている。
最後の祝詞が紡がれる。
「空に触る緑なす山
雲の立つ杜におわせし」
・・・一言さん・・・
最後の呼び声とともに、のそりと、青い光を割って何かが出てきた。場の空気が一瞬にして変わる。
「な・・・なんだ、なんなの・・・あれ」
己の心の底から湧き上がるこの震えが、偉大なるもの、恐れ多いものを前にして、人が感じる絶大なまでの畏怖であることに、オキナが思い至ることはなかった。しかし、心が感じなくても身体は正直だった。ジリっと足がひとりでに後ずさる。
馬鹿な・・・人ごときが呼び出せるモノに!
素早くオキナは両方のパンツのポケットに忍ばせていた勾玉を取り出しそれぞれの手に握りしめる。
右手の足玉で生命力を増強させ、その力を左手の道返玉に注ぎ込む。二つの神宝のレゾナンスにより、通常ではなし得ない『鬼道の最大解放』が可能となる。
なんだかわからないが、最大瘴気で焼き払ってやる!
オキナの意志が道返玉を揺らし、それに応えて空間が大きく歪む。
「皆悉く潰れるがいい!!」
吹き出す瘴気が妖魔すら巻き込んで圧倒的な大風となり、周囲の空間を制していく。だが、ここで初めてオキナは周囲の異変に気づくことになる。
な・・・っ!?
陰陽師たちは皆一様に耳を塞いでいた。立ち止まり、青い光から出てきたなにかから目を背け耳を両手で塞いでいたのである。
一言さん・・・言離の神(ことさかのかみ)・・・
まさか!?
オキナがソレを見上げる。光の柱から姿を表したのは、清浄なる光をまとった紅紐の付いた青摺の衣を着た身の丈10メートルほどの大きなモノ・・・
『一言主命(ひとことぬしのみこと)』
オキナは手を軽く振り、次々と湧き上がる妖魔たちに指示を伝える。
「あいつを討て」
一瞬、身を硬直させた妖魔たちが、一斉にその攻撃の矛先を本陣前の烏丸に向ける。オキナがまたニヤリと笑い、また、油断なく綾音たちの方に目をやり続ける。
青い光が極限に達した時、烏丸の目が開いた。そこには星のそれに似た蒼白の静かな光が宿っている。
最後の祝詞が紡がれる。
「空に触る緑なす山
雲の立つ杜におわせし」
・・・一言さん・・・
最後の呼び声とともに、のそりと、青い光を割って何かが出てきた。場の空気が一瞬にして変わる。
「な・・・なんだ、なんなの・・・あれ」
己の心の底から湧き上がるこの震えが、偉大なるもの、恐れ多いものを前にして、人が感じる絶大なまでの畏怖であることに、オキナが思い至ることはなかった。しかし、心が感じなくても身体は正直だった。ジリっと足がひとりでに後ずさる。
馬鹿な・・・人ごときが呼び出せるモノに!
素早くオキナは両方のパンツのポケットに忍ばせていた勾玉を取り出しそれぞれの手に握りしめる。
右手の足玉で生命力を増強させ、その力を左手の道返玉に注ぎ込む。二つの神宝のレゾナンスにより、通常ではなし得ない『鬼道の最大解放』が可能となる。
なんだかわからないが、最大瘴気で焼き払ってやる!
オキナの意志が道返玉を揺らし、それに応えて空間が大きく歪む。
「皆悉く潰れるがいい!!」
吹き出す瘴気が妖魔すら巻き込んで圧倒的な大風となり、周囲の空間を制していく。だが、ここで初めてオキナは周囲の異変に気づくことになる。
な・・・っ!?
陰陽師たちは皆一様に耳を塞いでいた。立ち止まり、青い光から出てきたなにかから目を背け耳を両手で塞いでいたのである。
一言さん・・・言離の神(ことさかのかみ)・・・
まさか!?
オキナがソレを見上げる。光の柱から姿を表したのは、清浄なる光をまとった紅紐の付いた青摺の衣を着た身の丈10メートルほどの大きなモノ・・・
『一言主命(ひとことぬしのみこと)』

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