この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第17章 大声疾呼(たいせいしっこ)
「終わったあああああ!」
土御門が、剣を降ろして膝から崩れた。河西を押さえ続けた左前がヨロヨロと立ち上がる。ダリがヒュンと槍を一振りし、槍はそのまま霧消した。

私はというと、河西佳苗を押し倒すような形で地面に突っ伏していた。
間に・・・あったの?

いろんなことが一瞬だった。でも、どうやら、河西佳苗は鬼道に呑まれず、闇は消滅し、誰も怪我人がいない、そういう状況のようだ。

河西は、気絶していた。
どういう理屈かわからないが、先程まで女怪のように真っ黒だった皮膚は元の色に戻り、まるで眠っているかのようだった。

ダリが私を助け起こしてくれる。
「大丈夫か・・・綾音・・・。」
「う・・・ん、なんとか・・・」
私も一応身体を触ってみたが、自分についても、どこも怪我はしていないようだ。

ダリが近くにいると安心してじわっと涙が出てくる。
今更ながらに、怖くなって、足が震えてきた。

ぎゅっとダリが、抱きしめてくる。
「綾音・・・やはり主は・・・」

また、彼のセリフは妙なところで途絶えた。だけどいい。こうして抱きしめてくれるだけで、私はとても安心できるから。

かくして女怪の絡んだ恐ろしい事件が、一応の終結を見たのだった。
/726ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ