この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第17章 大声疾呼(たいせいしっこ)

そうそう、時間遅延のためにダリによって創造された異界の中にいた時、私が女怪に呑まれそうになった場面があったと思う。あの時、『まま!』とか『綾音殿!』という声が聞こえた気がして、それで助かったのだが、その話をしたところ、瀬良が『やっぱり!?』と反応をした。
曰く、
『私が清香様と芝三郎様の面倒を見ていた時、突然、清香様が『ままが!』と言って、窓にへばりついて祈るような仕草をしたんです。それにつられて、芝三郎様も・・・。おそらく、あの時、何かしらの念を送っていたのだと思います』
とのことだった。
瀬良の理解は非常にファンタジーな感じだったが、土御門がもう少し補足してくれた。
『わいと瀬良ちゃんには深〜い縁があんねん(瀬良はこのセリフを聞いてすこぶる嫌そうにした)。で、わいが綾音ちゃんの足にくくりつけた糸玉の端持っててんな。やから、綾音ちゃんの危機の信号が、わいを通して瀬良ちゃんに、瀬良ちゃんから清香ちゃんや芝三郎狸に伝わったんと違うかな。まあ、理屈はこうだとは言え、異世界と現世がつながるっちゅうのは、ほんま奇跡的だから、もしかしたら、単なる偶然かもしれんけどな』
まあ、要は清香ちゃんがやっぱり私のSOSを察知して助けてくれた、ということらしい。偶然かも、と土御門は言うが、私はやっぱり清香ちゃんの『助けたい』という思いが産んだ奇跡に思えてならない。
清香ちゃんには助けられっぱなしだな・・・。
曰く、
『私が清香様と芝三郎様の面倒を見ていた時、突然、清香様が『ままが!』と言って、窓にへばりついて祈るような仕草をしたんです。それにつられて、芝三郎様も・・・。おそらく、あの時、何かしらの念を送っていたのだと思います』
とのことだった。
瀬良の理解は非常にファンタジーな感じだったが、土御門がもう少し補足してくれた。
『わいと瀬良ちゃんには深〜い縁があんねん(瀬良はこのセリフを聞いてすこぶる嫌そうにした)。で、わいが綾音ちゃんの足にくくりつけた糸玉の端持っててんな。やから、綾音ちゃんの危機の信号が、わいを通して瀬良ちゃんに、瀬良ちゃんから清香ちゃんや芝三郎狸に伝わったんと違うかな。まあ、理屈はこうだとは言え、異世界と現世がつながるっちゅうのは、ほんま奇跡的だから、もしかしたら、単なる偶然かもしれんけどな』
まあ、要は清香ちゃんがやっぱり私のSOSを察知して助けてくれた、ということらしい。偶然かも、と土御門は言うが、私はやっぱり清香ちゃんの『助けたい』という思いが産んだ奇跡に思えてならない。
清香ちゃんには助けられっぱなしだな・・・。

