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天狐あやかし秘譚
第22章 【第7話 ホシガリ様】異聞奇譚(いぶんきたん)
ダリと宝生前は女将さんが出してくれたお茶とお茶請けの甘い煮豆のようなものをいただいていた。一応なにか注文しないと悪いと思ったのか、宝生前は更に干しタコの炙りと、牡蠣フライを注文していた。

うう・・・美味しそうだよ・・・
食べたいよ・・・
でも、まだ、気持ちわるいよお・・・。

ついでに、ダリが日本酒を所望する。こら!私がこんななのに!鬼か!お前は!

「こんな辺鄙なところによーきなすったねえ。外からの人はほんと、珍しいんですよ。一体何しにいらしたんです?」
女将さんが料理を運んでくる。非常に気立てのいい人だ。私がダリの膝枕で寝ていても顔色ひとつ変えない。

「ええ、実は民俗学の調査に。私は東京の大学で教鞭をとっておりまして、民俗学を専門としてるんです。なんでもこの島には珍しいお祭りがあるということで調査に来たんですよ」
「まあ!それはそれは・・・そいじゃあ、あんたがた、明日の輿入祭を見に来たんかい?そちらのお嬢さんも大学のセンセイ?」
「いやあ、この・・・綾音くんとダリくんは僕の助手なんです・・・はい」
宝生前が適当に誤魔化してくれる。私は寝ながら「よろしく」苦笑いをする。ダリは日本酒を呑みながら無表情だ。

今、宝生前が言ったことは実は半分正しいのだ。宝生前は陰陽寮の陰陽師であると同時に、都内の大学で民俗学の教授をしている。実際、陰陽寮の職員でこういったダブルワーカーは結構いるらしいのだ。

「ところで、女将さん。その輿入祭って、女将さん自身は見たことあるんですか?」
「いやあ・・・そんなしょっちゅうあるもんじゃないんでね・・・。それに祭って言っても、実際は浮内の家の氏神様のお祭で、いわゆる普通の地域の祭とは違うからねえ・・・。ただ、祭の当日含めて3日間は浮内の家から大層なお振る舞いが出るからみんなそれは楽しみにしてるかんね。まあ、今夜と明日の昼、あさっての夜はどこの家でもどんちゃん騒ぎやね」
「浮内の家?」
この島の名前が浮内島、その家?
「ああ・・・そうそう。この島とおんなじ名前だよ。浮内家はこの島の名主なんよ。でもタダの島名主じゃねえよ?広島や岡山、福岡なんかに会社いっぺー持ってる、すんげー金持ちなんだよ」
そんな、金持ちなのに、こんな・・・とか言っちゃ失礼かもしれないけど・・・島にいるの?なんだか不自然な気がする。
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