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天狐あやかし秘譚
第22章 【第7話 ホシガリ様】異聞奇譚(いぶんきたん)
アシイレ?妻問い?何じゃそりゃ。
頭の中は疑問符でいっぱいだったが、宝生前の邪魔をするわけにはいかないので、とりあえず曖昧に笑って頷いておいた。

「・・・まあ、そういった儀式に近いですね。男女逆ですが・・・。要は本家の娘と婿がホシガリ様の間でまぐわうのです」

まぐわう・・・。つまりはセックス・・・。たしかにそりゃ他の人は見れませんな・・・。

「ふむ・・・ホシガリ様をその身に宿す、というのが非常に興味深いですね・・・。ところで、そのホシガリ様というのは、どういった謂れのある神なのでしょう。非常に珍しい名前ですが・・・」

そうだ。そもそも、ここに来たのもそのホシガリ様が『邪神』疑惑があったからだ。まあ、祀っている当の本人たちが『ホシガリ様は邪神でして・・・』というとは思えないが、探りをいれるとすればここからだろう。

「ホシガリ様については、次のような伝承が残されています。ここらでは有名な話で、多分誰に聞いても同じような話を聞けると思いますよ」

そう言って、圭介が話したのは次のような悲しい話だった。
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