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天狐あやかし秘譚
第22章 【第7話 ホシガリ様】異聞奇譚(いぶんきたん)
宝生前は、『異類婚姻譚とも言えるのか、いや・・・』『嫁側の要望が強いというのは・・・』などとブツブツ言っている。確かに、相当興味深いのだろう。ただ、私の観察が間違っていなければ、圭介もまた、大分じれているように見えた。そもそも大きなお祭の主催をする家の当主だ。なにか次の予定があるのかもしれない。

「あ・・・あの・・・宝生前さん。そろそろ私達も宿を探さないと・・・」
助け舟を出してみる。圭介があからさまにホッとした顔をした。
「おや!宿の手配がまだでしたか・・・。もしよければ、うちで宿をご紹介しましょうか?」
「それは助かります!」
「もちろん、当家に逗留してもらうというのも良いのですが、今日は浮内の家ではないところに宿泊されたほうがより楽しめると思いますので」

そう言って、圭介は笑った。

ん?楽しめる?
この時、私が引っかかった言葉の意味は、数時間後に嫌というほど知ることになる。
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