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天狐あやかし秘譚
第22章 【第7話 ホシガリ様】異聞奇譚(いぶんきたん)

☆☆☆
なんだか救いがない話だ。
その鬼になった娘が『ホシガリ様』ということか。なるほど、あらゆるものを『欲しがる』から『ホシガリ様』・・・。
ちなみに、ダリは圭介が話している間、私の横であくびを噛み殺していた。貴族っぽいので、当然大あくびというわけではないし、多分私にしかわからない程度だと思うが、相当飽きている様子だった。
ただ、宝生前は目を輝かせている。圭介が話している間中、ノートにメモを取りまくっていた。
「素晴らしいです!輿入祭は本家筋を絶やさないようにする、という目的の他に、ホシガリ様という神の力を維持するという意味もあるのですね。こういう話はよく『巫女と神』との間の神婚などで見られますが、こちらでは神が女性で、結婚するのが男性なのですね・・・」
「ははは、家ではこのように言い伝えられています。ご満足いただけましたか?」
「ええ!大変興味深い・・・。ところで、婿なのですが、特に長男をとか決まりはない・・・?」
そう言えば食堂の女将も言っていた。長男ではなく、三男が婿になる、と。
「ええ、そればかりは本家の娘の好みを尊重するわけです。そもそもが、本家の娘の好み通りに婚姻が行われなかったことから起こった悲劇ですからね」
はあ、なるほど、筋は通って・・・いるのかな?
「では、選ばれなかった方はさぞかし悔しい思いをされるでしょうな・・・。莫大な遺産の継承権がかかってる、わけですからね・・・」
はは・・・と圭介は軽く笑って受け流す。この手の質問はよく来るのかもしれない。
「習わしなので、仕方がないと割り切っていますよ」
「いやあ、実に興味深い!!!」
なんだか救いがない話だ。
その鬼になった娘が『ホシガリ様』ということか。なるほど、あらゆるものを『欲しがる』から『ホシガリ様』・・・。
ちなみに、ダリは圭介が話している間、私の横であくびを噛み殺していた。貴族っぽいので、当然大あくびというわけではないし、多分私にしかわからない程度だと思うが、相当飽きている様子だった。
ただ、宝生前は目を輝かせている。圭介が話している間中、ノートにメモを取りまくっていた。
「素晴らしいです!輿入祭は本家筋を絶やさないようにする、という目的の他に、ホシガリ様という神の力を維持するという意味もあるのですね。こういう話はよく『巫女と神』との間の神婚などで見られますが、こちらでは神が女性で、結婚するのが男性なのですね・・・」
「ははは、家ではこのように言い伝えられています。ご満足いただけましたか?」
「ええ!大変興味深い・・・。ところで、婿なのですが、特に長男をとか決まりはない・・・?」
そう言えば食堂の女将も言っていた。長男ではなく、三男が婿になる、と。
「ええ、そればかりは本家の娘の好みを尊重するわけです。そもそもが、本家の娘の好み通りに婚姻が行われなかったことから起こった悲劇ですからね」
はあ、なるほど、筋は通って・・・いるのかな?
「では、選ばれなかった方はさぞかし悔しい思いをされるでしょうな・・・。莫大な遺産の継承権がかかってる、わけですからね・・・」
はは・・・と圭介は軽く笑って受け流す。この手の質問はよく来るのかもしれない。
「習わしなので、仕方がないと割り切っていますよ」
「いやあ、実に興味深い!!!」

