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天狐あやかし秘譚
第23章 形影相弔(けいえいそうちょう)
☆☆☆
「いやあ・・・感激です。祭の主役である婿殿にこうして会うことができるとは!」
宝生前が今にも飛びかからんばかりの勢いで草介にずいと身体を近づける。

「私も、東京から来た高名な学者様にお会いできて光栄です」
浮内草介、と名乗った男は、年の頃は23〜4くらいだろうか。兄、圭介の触れたら切れるぞみたいな隙のない感じと違い、気が弱そうな色白の好男子という感じだった。

「はじめまして、浦原綾音と申します。こちらはダリ。二人で宝生前先生の助手をしています」
一応設定に則って挨拶をする。うまく・・・出来ていたかな?

草介の後ろには、なにやら強面の男が控えている。草介によればボディガードだそうだ。長男の圭介にはついていないのに、三男である草介にはついているのか・・・。あ、そうか、草介はこれから本家の跡取りになる・・・からなのだろうか。

「実は、私、大学に行かれたら民俗学を専攻したいと思っていたんです・・・。感激ですね・・・。やはり宝生前先生も、呉秀三先生の著作などにはお詳しくある?」

「おやおや・・・さすが浮内のお家の方です。博学でいらっしゃる。ええ、もちろん存じておりますよ。大学で学びたかった・・・ということですが、なぜいらっしゃらなかったんですか?」

「ははは・・・私の能力的な問題ですね。それに、浮内の家の男は家を守る使命があり、幼い頃からそちらの勉強を特にするよう言われてましたからね。島から出るなんてとんでもない。僕の肩に浮内の家がかかっているわけですから」

「なるほど・・・ところで、草介さんから見て、この島に伝わるホシガリ様・・・どのようにお考えになります?」

「僕の浅薄な知識で語るより、松村武雄先生の『日本神話の研究』などが如実に物語っているでしょうね。ホシガリ様は一種の氏神・・・浮内の守り神ですからね。ただ、その祀り方等は、我々分家の人間にも伝えられていないのです。これから私が本家に入れば教えていただける・・・というか、私がその祭祀を行うことになるのでしょう。ただ、残念ながら、門外不出、ということです」
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