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天狐あやかし秘譚
第27章 銘肌鏤骨(めいきるこつ)
昼も夜もわからないこの屋敷に囚われ続ける。
たまに浮内の当主が来て、願いを述べていく。
それを出してやると、かしずいて、屋敷から出ていく。
また、しばらくすると、来て、願いを述べ、ものを持って行く。

闇に囚われ、殆どの時間をひとりで過ごす。時折、発作のように『私』はあの情景を思い出して、気が狂ったように叫ぶ。
叫んで、めちゃくちゃに自分を傷つけて、その傷が癒えて、疲れ果てて眠る。

何度か、空腹で死ねないかと食事を取らずに過ごしたことがあったが、苦しいだけで死ぬことは出来なかった。

こんな風に過ごした日々・・・幾年過ぎただろう。
『私』は、孤独に耐えられなくなった。

最初、私は父と母を領巾の力で生み出した。領巾はそれに応え、父母の『ようなもの』を生み出した。それは父や母に似てはいたけど、そのものではなかった。

これらを生み出したばかりの時は、人と話ができる嬉しさに、些細な違いはあっても構わないと思った。そして、父母を皮切りに、使用人として何人かの官女や下人を生み出した。

ほんのしばらくは、私は孤独が紛れて気持ちが落ち着いた。屋敷の中は活気に溢れ、たくさんの笑い声が聞こえるようになった。

しかし、そんな生活も長くは続かなかった。

ある時、下人同士が些細なことで喧嘩をし、罵り合いを始めた。『私』はそれをうるさく、煩わしく感じた。

『いい加減にせい!』

叫んだ瞬間、その場にいた父、母、下人達が一斉に私の方を見て、動きを止めた。屋敷にいる全ての『人のようなもの』がしんと凍りついたような目で『私』を見たのだ。

その瞬間、怖気が走った。

『お前ら・・・お前らは何じゃ!消えろ!消えろおおお!!』

叫ぶと、刹那、全ての『人のようなもの』がその場で血袋になって爆ぜた。
部屋中が吹き出した血で赤く汚れ、私には父母の『ようなもの』の血が容赦なく浴びせられる。

その血を浴びた『私』の耳に、遠くから誰かが叫ぶ声が届いた。
いや、違う・・・。この叫びは『私』のものだ。

全身に血を浴び、ただただ孤独に暗い暗い屋敷に囚われた、女の絶望の叫びだった。
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