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天狐あやかし秘譚
第29章 正真正銘(しょうしんしょうめい)
「ただ、彼の場合、元々が金気の術を得意としていますので、あまり水の術式が得意ではなかった・・・。まあ、そのせいでさほど威力が出なかったので、負けちゃいましたけどね」

ああ・・・たしかにふっとばされていたな。

「陰陽師はそれぞれの体質や、ついた師匠などにより、得意な術式が決まってきます。例えば、御九里さんや敷島さんは金気、祭部衆の責任者である大鹿島さんは火気、この間一緒に戦った左前さんは本来は水気の術を得意とします。あとは・・・そうですね、祭部の宝生前さんは土気の術を使いますね」

その後、五行それぞれの術の特徴を教えてくれた。その中で確か土の術式のときに・・・。

「土は万物の保護や育成などを司ります。身体部位としては、胃や脾臓、それから思考活動も範疇に入ります。また、そもそも火が燃えて土となることから、死や恨みのようなものも支配します。なので、土の術式は結界や保護などに適していますし、うまく使えば死んだ人の思考を読み取ることもできます。イタコみたいなものですね」

ニッコリと瀬良が笑った。

☆☆☆
うう・・・こんなにいっぺんに色々習っても覚えられない・・・と当時は思っていたが、あにはからんや、意外と覚えているものである。

つまりは、土の術式は死者の思考を読み取れる・・・可能性があるのだ。だとしたら、左近次の墓は分かっているのだし、そこから彼女の真名を読み取れはしないものか?

そうと決まれば!

「ダリ!お願い・・・私、宝生前さんの所行ってくる」
ダリから返事はなかった。彼もまた、一段と強化されたホシガリ様に手こずっていたのだ。
早くしなければ!

私は宝生前のもとに走った。
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