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天狐あやかし秘譚
第29章 正真正銘(しょうしんしょうめい)

☆☆☆
私の研修担当は、私を採用した土御門・・・のはずだったが、彼が『めんどい。瀬良ちゃん頼むわ』ということで、瀬良が担当してくれた。
陰陽寮の歴史から始まり、現在の構成、職員数とその役割などを学んだ。その中に、『陰陽術概論』という時間もあった。
陰陽寮の古い建物の中にある小会議室という場所で瀬良の研修があったのだが、その会議室が床は木でできており、黒板まであるので、まるで昔の学校のような佇まいだった。私というたった一人の生徒を相手に、黒板をバックにして話す瀬良はさながら山奥の分校の教師といったところか。
瀬良が黒板に『木、火、土、金、水』と円形に書き、木から火に、火から土に、土から金に、金から水に矢印を書く。さらに、木から土に、火から金に、土から水に、金から木に、水から火に矢印を描く。そうすると5つの要素が丸く繋がり、更に内側に五芒星のような模様が出来上がる。
「これが五行相克図と言われるものです。陰陽道では、5つの要素で自然現象を理解していきます。そして、その現象を支配する法則がこの相克図で示されているわけです。」
なんか、映画とかで見たことあるかもしれない。
「あやかしのようなものであっても、五行の法則内にいます。なので、私達は相手がなんの要素に属しているかを見抜き、それに適した術を使って調伏するわけです。例えば、この間、綾音さんが遭遇した狂骨は『火』の属性を持つ妖魅でしたので、御九里さんは水の術式で対抗しようとしたわけです」
そう言えば、短い刀が水色の刃に変化していたような・・・。あれが水の術だったのかな?
私の研修担当は、私を採用した土御門・・・のはずだったが、彼が『めんどい。瀬良ちゃん頼むわ』ということで、瀬良が担当してくれた。
陰陽寮の歴史から始まり、現在の構成、職員数とその役割などを学んだ。その中に、『陰陽術概論』という時間もあった。
陰陽寮の古い建物の中にある小会議室という場所で瀬良の研修があったのだが、その会議室が床は木でできており、黒板まであるので、まるで昔の学校のような佇まいだった。私というたった一人の生徒を相手に、黒板をバックにして話す瀬良はさながら山奥の分校の教師といったところか。
瀬良が黒板に『木、火、土、金、水』と円形に書き、木から火に、火から土に、土から金に、金から水に矢印を書く。さらに、木から土に、火から金に、土から水に、金から木に、水から火に矢印を描く。そうすると5つの要素が丸く繋がり、更に内側に五芒星のような模様が出来上がる。
「これが五行相克図と言われるものです。陰陽道では、5つの要素で自然現象を理解していきます。そして、その現象を支配する法則がこの相克図で示されているわけです。」
なんか、映画とかで見たことあるかもしれない。
「あやかしのようなものであっても、五行の法則内にいます。なので、私達は相手がなんの要素に属しているかを見抜き、それに適した術を使って調伏するわけです。例えば、この間、綾音さんが遭遇した狂骨は『火』の属性を持つ妖魅でしたので、御九里さんは水の術式で対抗しようとしたわけです」
そう言えば、短い刀が水色の刃に変化していたような・・・。あれが水の術だったのかな?

