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天狐あやかし秘譚
第36章 雪月風花(せつげつふうか)
☆☆☆
「かんぱーい!」

ダリは日本酒、私、土門さん、宝生前、御九里はシャンパン、清香ちゃんと芝三郎はサイダーで乾杯だ。目の前には私と宝生前が腕をふるった数々の料理が並んでいた。

「おお!すげえな」
「美味しそうなのです!」
御九里と土門さんが感嘆の声をあげる。ダリがくいっと盃をあけたので、私が更にお酒を注いであげる。今日は、いっぱい飲んでいいからね!

ややクリスマスにそぐわない不思議な装飾品(例えばコウモリとか、折り鶴とか)がある中、賑やかな雰囲気でパーティは始まった。

「ぱぱ!お稲荷さん、清香も作った!」
清香ちゃんがダリに自分が作ったいなり寿司を指し示して自慢気に言った。なかなか上手に詰められていると思う。

「おお!からあげ・・・とは!うまいものでござるな」
芝三郎はからあげをいくつも取って満足気にもぐもぐしていた。

私もシャンパンがいい感じに回ってほろんと心地よくなる。御九里はパエリアを大盛りで取ってがっついていた。宝生前もサラダやグラタンを美味しそうに食べている。

酔っ払い始めたのか、土門さんが立ち上がり、歌を歌う!!と言ったのを御九里が慌てて止めていた。どうやら土門さんの歌声はあまりいいものではないらしい。その代わり、清香ちゃんが立ち上がり、知っている童謡を歌い始め、芝三郎がそれに調子を合わせて手を叩いていた。

あまりに楽しげな雰囲気だからだろうか。和室からふわりと桔梗も顔を出す。土門さんが反応していたところを見ると、どうやら、陰陽寮の人にも姿を見せているらしい。桔梗がふわふわとダイニングを飛び回り、飾りつけや料理を珍しそうに見ていた。

ちょいちょい、と手招きすると、私の横に来る。
「桔梗も少し、食べる?」
と聞くと、ちょっと伏し目がちに考えて、コクリとうなづいた。

食べている間、いろいろな人が各々好きなことを話す。
あははと笑いが満ち、楽しく会は進んでいた。ダリは予想通り静かに静かに飲んでいたが、それでも、他の人の話を楽しそうに聞いている。

ダリの、話も聞きたかったな・・・。でも、あまりこういうところでたくさん喋る人じゃないよね・・・?
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