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天狐あやかし秘譚
第36章 雪月風花(せつげつふうか)
☆☆☆
ダリの熱い唇が私の身体をなぞっていく。あっという間に私は夜具を脱がされ、清香ちゃんが大の字に眠るベッドに横たえられた。耳を、頬を、首筋を、鎖骨をダリの唇が這う度に、甘い声が自然と漏れてしまう。

左手が私のさほど大きくない胸をきゅうと掴む。その刺激すら快感だ。胸の頂きを軽く指で弾かれ、転がされるとピリピリとした快感が背筋まで走る。

「ん・・・あぁ♡」

上半身を愛されただけで、じっとりと秘所が湿り気を帯びてくるのを感じる。すぐに、準備OKになってしまう淫靡な身体に変えられてしまっている。最初はエッチに戸惑っていた体の変化に、今では適応し、更に言えば『もっと変えられたい』と思ってしまってすらいる。彼にだったら、どんな風に染め上げられても構わない、と思えてしまっている。

「ダ・・・ダリ・・・」

キスをしたい。私の口にも、その甘い唇がほしい。ちょうどおっぱいの先をコロコロと舌で転がしていたダリの頭を抱くようにしておねだりしてしまう。

「キス・・・して・・・」

ベロンと首筋を舐め上げながら、たっぷり唾液の絡んだ舌を口中に押し入れてくる。彼の唾液が私のそれと混ざり、唇の端から零れていく。口の中が彼の舌で犯され、頭の芯まで淫靡な音が響いてくるようだった。

口腔を犯しながら、彼の右手が私の脇腹をそっとなぞり、恥骨あたりを滑り、ぬめりを帯びた陰裂に到達する。太くて熱い指が私のそこをなぞると、口中の刺激と相まって、私の身体を快感が貫いていく。

ぴくん、と腰が浮き上がるように反応してしまう。

ダリが唇を離すと、やっと呼吸が出来たとばかり、はぁ、と熱いため息が漏れる。ああ、快楽責めから開放されたと思ったのだが、すぐににゅぷりと秘所に指が入ってきたので、そのまま頭をのけぞらせることになってしまった。

「ひあ・・・あっ!あ・・・あ!!」

くちくちとクリトリスの裏側あたりを指の腹で柔らかく撫でてくる。もう、ダリにバレバレの私の弱い所のひとつだ。ここを優しくなで上げられると、すぐにじわじわと気持ちよくなってきてしまう。くりくり、トントンされると、快感がお腹の中に蓄積されていくような気持ちになってくる。
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