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天狐あやかし秘譚
第37章 【第10話 疱瘡神】病入膏肓(びょうにゅうこうこう)
☆☆☆
「ふーん・・・あっこなん?品々物之比礼(くさぐさのもののひれ)が運ばれたところって」
山間から見下ろす小さな村を見ながら、土御門が尋ねる。傍らに控えていた陰陽師、設楽は控えを見ながらその問いに対して的確に応える。

「中類村(なかがみむら)・・・『かみ』は漢字で『類』(るい)と書きますが、昔は普通に『神』(かみ)の字を使っていたようです。人口は約400人ほど。限界集落に近いですが、一応村人は農業や製薬業などできちんと生計を立てているようです。」
設楽は陰陽部門において調査や卜占を担当する占部衆の陰陽師だった。位階こそいただいていないが、その仕事ぶりは真面目で丁寧、能力にも定評があった。
今回、年末に、品々物之比礼が強奪されたという知らせを受けた土御門は、瀬良を伴って陰陽寮京都支所にやってきていた。そこで、占部衆の協力を得て、領巾の行く先を探っていたわけである。年が明けてやっとその行き先が判明した・・・ということで現地調査に乗り込んできたわけだ。

本来なら、わいの出る幕やないんやけど・・・。

通常、よほど危険な・・・それこそ『神』が絡むような案件でなければ、『助』クラスの術者が出張ることはまずない。むしろ、全体の統括を求められるのが普通だ。

それに、強奪した奴らのこともようわからんしな。

品々物之比礼が強奪された現場の検証写真には、道路に堆積する無数の昆虫の死骸が映し出されていた。真冬の日本において、あれ程の昆虫が発生するわけがない。それだけで異常な事態である。加えて言えば、取り戻さなければいけないものは、絶対に逃すわけにはいかない特別に危険な特級品の神宝ときている。

敵さんもわからん、神宝も絡んでる・・・しゃあないか・・・。

自分が出張るのはいた仕方ない・・・そう思い直していた。
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