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天狐あやかし秘譚
第39章 有備無患(ゆうびむかん)
とりあえず、今日までに聞いた話の整理でもしようかしら、と考え直し、カバンからメモを取り出して眺めてみる。

ええと・・・。

まず、去年の11月下旬、私達が浮内島で戦った『ホシガリ様』、本来は人間であった凪子をあやかしたらしめた『品々物之比礼』という神宝は、島でのバトル後に宝生前が回収し、京都市所の陰陽師に預けられたそうだ。

領巾は私達が東京に帰った日の夜、早速、京都支所に移送されることとなったのだが、その途中で何者かに襲撃を受けたらしい。移送要員からの定期連絡が途絶えたことから、京都支所の陰陽師たちが調査に向かった所、崖から落下し、大破している移送車両を発見した。乗っていた陰陽生二人は即死、もちろん、領巾は盗まれてしまっていた。

そして、奇妙なことに、現場には大量のバッタの死骸が転がっていたという。

神宝強奪の一報を受けた土御門は、瀬良を伴ってその日の夜にはすでに京都入りをしたそうだ。そして、領巾の奪還に向け、陣頭指揮を執っていたらしい。

ただ、陰陽寮の人たちの必死の捜索も虚しく、領巾を盗み出した何者かの消息は杳として知れなかったそうだ。結局、占部衆の懸命の調査・探索を経て、今年になってやっと、領巾の痕跡を追うことに成功し、それが、島根県の中類村に持ち込まれたようだということが分かった。

その事実が判明してすぐ、領巾を奪還するべく土御門、瀬良、そして占部の陰陽師である設楽が中類村に乗り込んでいった。

後は先に言ったとおりである。設楽が発熱したことにより、一時撤退。数日様子を見る内に、その病気が『赤咬病』であると分かったことから、この件に『疱瘡神』という神様が絡んでいることが濃厚となった。神クラスを相手にするのはただでさえ大変である上に、今回は、神宝である品々物之比礼の使用者がまた現れる可能性すらある。こちらも神クラスの相手と言って差し障りのないものだ。

一度に二体の『神』を相手にするのは、いかに現代日本で最高峰の術者(自称)である土御門であってもきつい。ということで、私とダリを東京から呼び寄せた。

・・・と、こんな感じだろうか?

メモから書き起こした時系列を眺め、私は事件の全体像をおさらいする。そして、改めて事の大きさ、大変さを実感した。
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