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天狐あやかし秘譚
第39章 有備無患(ゆうびむかん)
☆☆☆
はあ・・・お腹いっぱい。

結局、ちょいと拗ねては見せたものの、別に怒っているわけではないので、私はダリを伴って夕食会場に行った。会場とは言っても、ほぼ個室であり、落ち着いた風情の和室で二人向かい合って美味しいご飯をいただいたわけだ。

ちなみに、ダリの食欲というか、食事についての向き合い方について、未だにはっきりとはわからないのだが、食べても食べなくても大丈夫なのは確かなようだ。必要だから食べている、というわけではないように感じる。

ちなみに今日は食べていた。一緒にお酒も飲んでいる。
相変わらず食べ方が上品だし、きれいなので、つい見惚れてしまう。

なんだろう?嗜好品・・・みたいな位置づけなのかもしれない。

食べながら、先ほど考えをまとめたことについて、ダリとも共有をする。

「疱瘡神とは・・・久方ぶりに聞くな」

ほとんどの話に反応をしなかったが、疱瘡神という言葉にはコメントがあった。会ったことがあるのか?と聞いてみたが、首をふる。

「珍しい神だ・・・。人に災いをなす神でありながら、それを守ることもある。」

守ることもするからこそ、神社などが建立されるのだろう。たしかに、人を病気にするだけなら、単なる妖怪だ。

ダリによると、200年くらい前にその名を聞いたのが最後だという。

「どこぞの封印されたか、滅殺されたかと思っていたが、まだ人の世におったのか」

私もちょっとだけ疱瘡神という神について調べてみた。どうやら疱瘡とは『天然痘』のことであり、疱瘡神は天然痘を撒き散らす神、ということになっていた。日本で天然痘の予防法である『種痘』が普及したのが約200年ほど前なので、それが原因で疱瘡神が見られなくなった・・・とか?

ご飯のあとはお風呂である。この宿には貸し切りの風呂もあるが、先ほど言ったように、部屋の中に結構いい感じの木の内風呂がある。貸し切りのほうが広いらしいが・・・。ちらっとダリを見ると、特に『一緒にお風呂』という感じでもないので、そのまま素知らぬ顔で部屋に帰ることにした。

ガラリと、扉を開く。

あ・・・。

まあ、当たり前なのだが、平机が片付けられており、ピッタリと寄り添うようにお布団が敷かれている。土御門の言葉を思い出し、若干、ダリの方を意識してしまう。
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