この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第47章 猪突猛進(ちょとつもうしん)
うちがその疱瘡神の家かどうかがわかりますか?
うちに足玉があるかどうかわかりますか?

本当はそう聞きたかったけど、田中先生の手前、直接は聞きにくかった。おとぎ話を真に受けている変な子、と思われそうだったからだ。

私の視線に気づいたのか、先生は、担任に目配せをして、「あとは私の方で答えておきますから」と言ってくれた。田中先生も用事があったようで、「そうですか?では失礼します」と立ち去っていった。

「で?なんでそんなことが気になるの?」
「私の家が、お話にそっくりで・・・だから・・・」
私は自分の家のことを先生にお話しした。

私の家はいつも女の人が一番偉いことになっていて、家も普通の家は長男が継ぐが、名越の家は長女、というか、女の子が継ぐ、ということ。
私は親戚や村の人から変に崇められてて、居心地が悪い、ということ。

とても・・・さっきのお話に出てきた家に似ている、と。

「へえ・・・君、名前は?」
「名越真白です」
「うーん・・・」

どうやら先生も、名前だけではわからないようだった。
やっぱり、おとぎ話の世界のことか・・・。そう諦めかけた時、
「君の家が疱瘡神の家なのか、わからないけど、確かめる方法ならあるよ」
先生がニコっと笑って言った。

「え?どうやって?」
「うん・・・君、生まれてから大きな病気をしたことは?」
私は身体が丈夫なのか、風邪ひとつひいたことがない。ついでに言えば大きな怪我もない。
「うん、やっぱりね・・・。だったら、仮病を使ってごらん。もし、君の家に『どんな病気でも治せる足玉』があるなら、君が病気になったらご両親はまっさきにそれを使うだろうからね」
「でも・・・お兄ちゃんはずっと病気だけど、パパやママは足玉を使わなかったから・・・」
私が今更病気になったからと言って、持ち出すとは思えなかった。
「それはどうかな?もしかしたら、足玉は疱瘡神を身体の中に持っている人にしか効果がない、とか、女の子にしか使いたくないとか、そういう事情があるのかもしれないよ?」

・・・そういう考え方もあるのか・・・。

「あ・・・それと、あとひとつ・・・」
私は最後にもうひとつ質問をした。
そして、先生の答えは、私の心をかき乱すのに、十分なものだった。
/726ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ