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天狐あやかし秘譚
第5章 天佑神助(てんゆうしんじょ)
清香ちゃんは何か鎖のようなものでがんじがらめに縛り付けられ、「ぐがあ・・ああぎ」と身を捩って抜け出そうとしていた。

「やっぱ、見えてるんだ」
男は持っている棒状の何かで清香ちゃんの顔をグリグリと押す。

「待ってな・・・今、祓っているところだから」

清香ちゃんの目が、私を捉え、一瞬だけ、生前の姿に戻る。その目からは涙がこぼれている。その瞬間、あの夢がフラッシュバックした。

黒い影が、竹刀で清香ちゃんを打ち付けているところ、
何度も何度も蹴りつけられているところ、
そして、目を灼けた鉄棒で焼かれたところ。

脳が、沸騰する。私は後先考えずに叫んでいた。
「や・・・やめろー!!!」
「な・・・なんだ!?」
叫びながら突っ込んでいったのがよほど意外だったのか、男は後ずさって避けた。私は清香ちゃんと男の間に割り込み、両手を広げた。

「この子に酷いことしないで!!!」

最初は気圧されたようにし、半身で構えていた男だったが、私がそれ以上襲ってくるわけではないとわかったのか、フッと肩の力を抜いた。

「何言ってんだ?お前。そいつは死霊だぜ?さっさと祓ってやるってんだから、どけよ」
「どかない!!」

祓う、って聞いて、それって成仏のこと?って一瞬思ったけど、鎖でがんじがらめにして苦しめているのは絶対に見過ごせない。

男はため息をつく。

「姉ちゃんさ・・・別にあんた祓屋(はらいや)とかじゃねえんだろ?その子、どうしようって言うのよ?そういうのは、俺たちみたいなプロに任せて、な?」

男がチャラチャラと近づいてくる。私はなおも、きっと睨みつけてその場にとどまり続ける。どかないでいるのだが、内心はドキドキもんである。

勢いでこんな感じになっているけど、これからどうしたらいいの!?

「んー、困ったな・・・。いい?姉ちゃん?俺等、これ仕事なの?んー、まあ、見えてるみたいだし、いっか?えっとさ、俺、公務員。こういうの、こう、綺麗にするお仕事。オーケー?」

チャラ男が更に近づいてくる。私は立ち塞がるだけで何もできない。足が震えだした。

「ね?だからさ、ちょっとそこどいてよ。すぐ終わる、っから!」

肩に手をかけて、私を強引にどかそうとする。
その時、私の背後で清香ちゃんが吠えた。

「ぐがあああ・・・ああああああああああああ!!!!!!!」
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