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天狐あやかし秘譚
第52章 【第12話 貧乏神】家徒四壁(かとしへき)
【第12話 貧乏神】

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【家徒四壁】きわめて貧しいことのたとえ。
この家、壁しかないぞ!?みたいな。
♡ーーーーー♡

「ままー!これやりたいーい!!」
清香ちゃんが大きなゲームボードを両手で掲げて私を呼んでいる。ここは、綿貫亭近くにある児童館、今は『児童プラザ』というようだ。

ここは、中高生以下の子どもが使える施設で、幼児向けのおもちゃから、学生向けの携帯ゲームやカードゲームのセットなんかもあったりする。そういった遊興設備以外にも、静かな図書室や勉強ができる場所、工作スペースなんかもあり、来場した子どもたちが思い思いに時間を過ごせるようになっていた。そうそう、先日、芝三郎が環ちゃんといっしょに『クリスマスプレゼント』を作ったのもここだった。

今回、私とダリが急遽、京都に行くことになり、さらに現地で私が病気になったせいで、合計して5日くらい突然に家を空ける事になってしまった。その間、清香ちゃんと芝三郎は、敷島さんと宝生前さんが面倒を見てくれる・・・予定だったのだが、宝生前さんは疱瘡神の封印に駆り出されてしまったので、結局は九条さんという若手の陰陽博士が面倒を見てくれたらしい。

九条さんとは、彼と子どもたちとで東京駅まで出迎えてくれたときに初めて会ったのだが、髪の毛はダークブラウンで、肌も透けるように白い、全体的に色素が薄い、なかなかにスタイリッシュな男子だった。多分、24〜5歳くらいだと思われる。

「可愛らしいお子さんたちで」

にこりと笑って二人を私達に引き渡してくれた。敷島さんは真面目系女子みたいで、二人がはぐれてしまわないようにしっかりと手を繋いでいてくれたようだった。

敷島さんも九条さんも、子どもたち二人にはとても良くしてくれたようだった。しかし、やはり普段とは違う人に面倒を見られたことは、二人にとっては多大な精神的負担だったようだ。特に清香ちゃんにとってはそれなりに緊張するようなイベントだったらしく、私達が帰ってきた夜は、不在の間の愛情をとりもどそうとするかのように、私にベタベタとまとわりついて甘えまくっていた。

そんな事があったので、私としては清香ちゃんたちに報いるためにも、今日は朝から彼らを思いっきり遊ばせるために児童プラザにやって来た、というわけだ。
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