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天狐あやかし秘譚
第51章 堅忍不撓(けんにんふとう)

薄暗いバーの中。客は私と土門の二人だけ。
横並びにバーテーブルに座り、土門はレッドアイを、私はハイボールを。
レッドアイを飲みながら、土門はいやに上機嫌だ。
酒はあまり強くないというのが本当のようだ。あっという間に頬を染めて、目がとろりとする。肘をついて、私の方をニヤニヤと見つめてくる。
「へへへ・・・私で良ければ、とことん付き合いますよ?
どうですこのまま、お姉さんとピロートークでも?宝生前さん!」
「大丈夫です・・・」
「私はあなたのこと、気に入っているのですが・・・」
「結構です」
「こんなに麗しい女子からお誘いしているというのに!」
「私の気持ちも聞いてほしいですね・・・」
「失恋の痛みは別の恋で・・・というのが定石なのです」
「あなたは範疇外です」
「まあ・・・!なんという失礼な!
ヤッてみたら案外いいものかもしれませんよ・・・。
私、これでも、名器なんですよ?」
ゲイからバイになる人もいますしね、と冗談とも本気ともつかない事を言う。
不器用な慰め方。それとも本気なのか?
まあ、直属ではないとしても、上司ですからね。
立ててあげなくてはいけない。
それに、今日、ひとりの真っ暗な家に帰るのは、たしかに辛いかもしれない。
「まあ、範疇外ですが、ここで朝まで飲むってのなら、付き合ってもいいですよ」
「付き合ってあげてるのは私の方なのです!」
わざとらしく、ムスッとして見せる。
範疇外だけど、その顔が少し可愛らしく感じられる。
明日、仕事だけど・・・まあ、いいか。
そう思いながらも、私としては珍しく、今夜は、この不器用で優しい、少し風変わりな上司に甘えてみることにした。
横並びにバーテーブルに座り、土門はレッドアイを、私はハイボールを。
レッドアイを飲みながら、土門はいやに上機嫌だ。
酒はあまり強くないというのが本当のようだ。あっという間に頬を染めて、目がとろりとする。肘をついて、私の方をニヤニヤと見つめてくる。
「へへへ・・・私で良ければ、とことん付き合いますよ?
どうですこのまま、お姉さんとピロートークでも?宝生前さん!」
「大丈夫です・・・」
「私はあなたのこと、気に入っているのですが・・・」
「結構です」
「こんなに麗しい女子からお誘いしているというのに!」
「私の気持ちも聞いてほしいですね・・・」
「失恋の痛みは別の恋で・・・というのが定石なのです」
「あなたは範疇外です」
「まあ・・・!なんという失礼な!
ヤッてみたら案外いいものかもしれませんよ・・・。
私、これでも、名器なんですよ?」
ゲイからバイになる人もいますしね、と冗談とも本気ともつかない事を言う。
不器用な慰め方。それとも本気なのか?
まあ、直属ではないとしても、上司ですからね。
立ててあげなくてはいけない。
それに、今日、ひとりの真っ暗な家に帰るのは、たしかに辛いかもしれない。
「まあ、範疇外ですが、ここで朝まで飲むってのなら、付き合ってもいいですよ」
「付き合ってあげてるのは私の方なのです!」
わざとらしく、ムスッとして見せる。
範疇外だけど、その顔が少し可愛らしく感じられる。
明日、仕事だけど・・・まあ、いいか。
そう思いながらも、私としては珍しく、今夜は、この不器用で優しい、少し風変わりな上司に甘えてみることにした。

