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天狐あやかし秘譚
第52章 【第12話 貧乏神】家徒四壁(かとしへき)

☆☆☆
「やったー!私の勝ち!」
午後、最初はカードゲームなんかをやっていたけれども、適当にお腹がこなれたところで、児童プラザに併設の体育館でバドミントンをすることにした。芝三郎は当たり前として、清香ちゃんもみゆきちゃんもやったことがないということで、ラケットの持ち方からレッスンをして、今やっとラリーが少しできるようになった、というわけだ。
みゆきちゃんは結構運動神経が良いようで、芝三郎にすら勝つことがあるくらいだった。機敏に動いてシャトルを打ち返す姿は、なかなかに頼もしい。
そして、何より弾けるような笑顔が愛らしかった。
3人で存分に汗を流したあとは、ちょっと休憩を取ることにした。確か、1階のサロンめいたところに自販機があったはず。
「ジュースでも飲もうか?」
わーっと、三人が元気よく賛成してくれる。
自販機に辿り着くと、皆、思い思いの飲み物を選ぶ。
「清香、オレンジジュース!」
「拙者は”さいだー”にござる」
「私は・・・」
みゆきちゃんがちらりと私の方を見た。遠慮、してるのかな・・・。
大丈夫だよ、これくらい、おごりだよ。
「大丈夫、好きなの選んでいいよ。あとでママには言っておくから」
そう告げると、ニコっと笑って、清香ちゃんと同じものを選んだ。多分、私が『大丈夫』と言っても遠慮したのだろうということはよく分かった。
私もお茶を買って、一緒に喉を潤す。皆でこの後どうする?と相談をし、結局は清香ちゃんの希望で工作室にいくことになった。なんでも、彼女は芝三郎から折り紙を教わりたいのだそうだ。芝三郎は、クリスマスのときに環ちゃんから折り紙を教わって以来、何かというと綿貫亭でも折り紙を折っており、それを清香ちゃんは魔法みたいに思ってみていたのだという。
「芝三郎ね、すっごい折り紙上手なの」
清香ちゃんが言うと、みゆきちゃんも目をキラキラさせた。
「私も保育園で教えてもらった!」
このくらいの年齢の子にとって、折り紙はなかなかに魅力的らしい。
一瞬、保育園、というワードに清香ちゃんがどう反応するかどきりとしたが(当たり前だが清香ちゃんは保育園には行くことができない)特にそこに引っかかることなくスルーしたので、ややホッとする。
「やったー!私の勝ち!」
午後、最初はカードゲームなんかをやっていたけれども、適当にお腹がこなれたところで、児童プラザに併設の体育館でバドミントンをすることにした。芝三郎は当たり前として、清香ちゃんもみゆきちゃんもやったことがないということで、ラケットの持ち方からレッスンをして、今やっとラリーが少しできるようになった、というわけだ。
みゆきちゃんは結構運動神経が良いようで、芝三郎にすら勝つことがあるくらいだった。機敏に動いてシャトルを打ち返す姿は、なかなかに頼もしい。
そして、何より弾けるような笑顔が愛らしかった。
3人で存分に汗を流したあとは、ちょっと休憩を取ることにした。確か、1階のサロンめいたところに自販機があったはず。
「ジュースでも飲もうか?」
わーっと、三人が元気よく賛成してくれる。
自販機に辿り着くと、皆、思い思いの飲み物を選ぶ。
「清香、オレンジジュース!」
「拙者は”さいだー”にござる」
「私は・・・」
みゆきちゃんがちらりと私の方を見た。遠慮、してるのかな・・・。
大丈夫だよ、これくらい、おごりだよ。
「大丈夫、好きなの選んでいいよ。あとでママには言っておくから」
そう告げると、ニコっと笑って、清香ちゃんと同じものを選んだ。多分、私が『大丈夫』と言っても遠慮したのだろうということはよく分かった。
私もお茶を買って、一緒に喉を潤す。皆でこの後どうする?と相談をし、結局は清香ちゃんの希望で工作室にいくことになった。なんでも、彼女は芝三郎から折り紙を教わりたいのだそうだ。芝三郎は、クリスマスのときに環ちゃんから折り紙を教わって以来、何かというと綿貫亭でも折り紙を折っており、それを清香ちゃんは魔法みたいに思ってみていたのだという。
「芝三郎ね、すっごい折り紙上手なの」
清香ちゃんが言うと、みゆきちゃんも目をキラキラさせた。
「私も保育園で教えてもらった!」
このくらいの年齢の子にとって、折り紙はなかなかに魅力的らしい。
一瞬、保育園、というワードに清香ちゃんがどう反応するかどきりとしたが(当たり前だが清香ちゃんは保育園には行くことができない)特にそこに引っかかることなくスルーしたので、ややホッとする。

