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天狐あやかし秘譚
第52章 【第12話 貧乏神】家徒四壁(かとしへき)
工作室での芝三郎の折紙教室は、案の定、女子二人に好評だった。どうやらクリスマスプレゼント制作の後、さらに腕を上げたらしく、彼は折り紙一枚から次々といろいろなものを作ってみせた。
「これは、家にござる」
「クマじゃ」
「これは、ツル」
「にわとりも作れるぞ」

はわわわわ・・・

続々と折りあがっていく可愛らしい折り紙作品に、二人の女児の目が釘付けになる。
確かににわとりなどは、白い紙で折って『とさか』を赤く色づけると本当に可愛らしい。
すごい!芝三郎!!

折り紙で楽しんでいるうちにあっという間に時間が過ぎて、気がつくと17時を回っていた。それでもみゆきちゃんのお母さんは姿を現さない。

うーん・・・どうしようかな。
そろそろ帰ってお夕飯の準備とかしたいんだけどなあ。

「ねえ、みゆきちゃんさ。みゆきちゃんちって、今晩、ご飯どうする、とかって聞いてる?」
みゆきちゃんが言うには、やはり今晩もこども食堂を利用するつもり、のようだった。

こども食堂が開くのは18時だ。
・・・どうしようかな?

予定では、そろそろここを出て、3人でお買い物して、夕飯は19時頃とか思っていたのだけど・・・。この分だと、みゆきちゃんのお母さんは、こども食堂の夕飯開始時間まで帰ってこない気がする。

30秒ほど悩んで、私は決断をした。

ダリを呼ぼう。
そうだ、いっそ、ダリも呼んで、夕飯もここで食べればいいんだ。まあ、ダリはよほどのことがない限り食事をしないので、ただいるだけになる可能性が高いが。そこはそれ、家族(とはちょっと違うけど・・・)なので、一緒にいたいではないか。

私は芝三郎に耳打ちをしてひとっ走りダリを迎えに行ってもらうことにする。ダリは家の電話には出ないので、この方法が一番手っ取り早い。

「心得た!」

女児二人が今習ったばかりの折り紙の制作に夢中になっている間に、芝三郎がダッと駆け出す。あの分なら、30分ほどでダリと合流できるだろう。そうなれば、みんなで一緒に夕飯だ。私も楽ができるので、一石二鳥というわけだ。
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