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天狐あやかし秘譚
第7章 【第3話 狐狸の戦い】迷者不問(めいしゃふもん)

「ままーあっちにお店あるよ」
清香ちゃんが言う。指し示す方向を見ると、目抜き通りをそれた細い道の奥にぽつんと赤い提灯が下がっている。和食の店なのかな?ちょっと通りから外れているせいか、空いているようにも見えた。
和食ならダリも食べるかもしれない。油揚げとかあるかもしれないし・・・。
その店に行ってみることにした。
「はーい!ただいまお席空いてますよー♪」
遠目に見たときは気づかなかったが、提灯のそばに赤い着物姿の女性が立っていた。呼び込みをしているようだ。
「お子さんには、ランチサービスでミニ提灯がつきますよ〜」
お姉さんがお店の看板と同じ形の小さい提灯を見せてくれる。清香ちゃんが歓声を上げる。
「清香、ちょうちんほしいー」
提灯・・・うーん。荷物になるからな・・・。でも、ちらっと見た清香ちゃんが提灯をワクワクした顔で夢中に見ているさまを目の当たりにしてしまうと・・・。
「じゃあ、ここにしようか。ダリ」
まあ、すぐ入れるみたいだし、いいか、ここで。値段も目玉がとびでるほどでもないだろう。ダリは飲食店が物珍しいのか、キョロキョロとあちこち見ている。特に着物の女性をじっと見ていた。
あ、そうか、他の店と雰囲気違うもんね。昔の人が着ているような服だから、なんか思い出したりしてるのかな?
「綾音・・・本当に、ここでよいのか?」
「え?別に良いと思うけど。」
「そうか・・・まあ、主が良いのなら・・・」
ん?なんか奥歯にものが引っかかったような言い方のような・・・。
「ままー行こうよ!」
清香ちゃんがガラッと引き戸を開いて入っていこうとするので、私は慌てて追いかけた。ダリもそれに続く。
「はーい!3名様・・・ごあんなーい」
お姉さんが元気に声を上げた。
清香ちゃんが言う。指し示す方向を見ると、目抜き通りをそれた細い道の奥にぽつんと赤い提灯が下がっている。和食の店なのかな?ちょっと通りから外れているせいか、空いているようにも見えた。
和食ならダリも食べるかもしれない。油揚げとかあるかもしれないし・・・。
その店に行ってみることにした。
「はーい!ただいまお席空いてますよー♪」
遠目に見たときは気づかなかったが、提灯のそばに赤い着物姿の女性が立っていた。呼び込みをしているようだ。
「お子さんには、ランチサービスでミニ提灯がつきますよ〜」
お姉さんがお店の看板と同じ形の小さい提灯を見せてくれる。清香ちゃんが歓声を上げる。
「清香、ちょうちんほしいー」
提灯・・・うーん。荷物になるからな・・・。でも、ちらっと見た清香ちゃんが提灯をワクワクした顔で夢中に見ているさまを目の当たりにしてしまうと・・・。
「じゃあ、ここにしようか。ダリ」
まあ、すぐ入れるみたいだし、いいか、ここで。値段も目玉がとびでるほどでもないだろう。ダリは飲食店が物珍しいのか、キョロキョロとあちこち見ている。特に着物の女性をじっと見ていた。
あ、そうか、他の店と雰囲気違うもんね。昔の人が着ているような服だから、なんか思い出したりしてるのかな?
「綾音・・・本当に、ここでよいのか?」
「え?別に良いと思うけど。」
「そうか・・・まあ、主が良いのなら・・・」
ん?なんか奥歯にものが引っかかったような言い方のような・・・。
「ままー行こうよ!」
清香ちゃんがガラッと引き戸を開いて入っていこうとするので、私は慌てて追いかけた。ダリもそれに続く。
「はーい!3名様・・・ごあんなーい」
お姉さんが元気に声を上げた。

