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天狐あやかし秘譚
第72章 侵掠如火(しんりゃくじょか)

「きゃあああああああ!」
「こ・・・これは無理があるのですぅ!!」
上を向くと、パラシュートが更に三つ、空から降りてきていた。声から察するにひとつは瀬良、ひとつは土門のようだった。
あと、ひとつは無言で降りてきているし、まだかなりの距離があるのでよくわからない。
「くそお!」
ぐらりと、カダマシの巨体が動いた。大きい図体なので、一挙手一投足で地面が揺れる。将軍剣の斬撃のダメージが早速に回復してきたのか、ギロリと土御門を睨みつけてきた。
「なんだあ!テメエ!」
地に響くような咆哮を上げると、こちらを踏み潰そうと、足を上げてくる。
「名乗ったやろ?なあ?・・・大鹿島はん?」
大鹿島さんって・・・あの、祭部の?
「五方主呪咀君
我請い願う
執法・収法・門法・推法・除法
散法・滅法・八部将軍・威光照見
その力もてここに降りたちて
千の災い万の邪を退けよ・・・」
呪言がカダマシの後ろから響く。その声に気づいて、彼が後ろを振り返るより速く、呪言の結句が発声された。
『水公・歳刑神連鎖縛』
大地から青く光る水色の綱のようなものが湧き上がり、それがたちまちのうちにカダマシの巨体を縛り上げていく。
「きゃああ!綾音さん!そこ・・・そこどいてください!!」
見ると、すぐ私の上まで瀬良がパラシュートで降りてきていた。どうやらうまく操縦できていないようで、こちらに向かって突っ込んでくる。
きゃあ!
慌てて逃げると、なんとか、瀬良はたたらを踏みつつも、地上に降り立つことに成功していた。ただ、その後ろに同じように降り立っていた土門は、足を絡ませて、盛大に顔からコケていた。
「ヘブっ!」
「死返玉は、あの大妖の腹の中・・・のようだ」
男性の声に振り返ると、いつの間に降り立ったのか白髪、白ひげのダンディ陰陽師、祓衆筆頭である左前がいた。
「むちゃをしすぎです!土御門様!」
「私は高所恐怖症なのです!それなのに、ヘリコプターを六合(りくごう)の風で後ろから煽るなんて・・・死ぬかと思いました!!」
「こ・・・これは無理があるのですぅ!!」
上を向くと、パラシュートが更に三つ、空から降りてきていた。声から察するにひとつは瀬良、ひとつは土門のようだった。
あと、ひとつは無言で降りてきているし、まだかなりの距離があるのでよくわからない。
「くそお!」
ぐらりと、カダマシの巨体が動いた。大きい図体なので、一挙手一投足で地面が揺れる。将軍剣の斬撃のダメージが早速に回復してきたのか、ギロリと土御門を睨みつけてきた。
「なんだあ!テメエ!」
地に響くような咆哮を上げると、こちらを踏み潰そうと、足を上げてくる。
「名乗ったやろ?なあ?・・・大鹿島はん?」
大鹿島さんって・・・あの、祭部の?
「五方主呪咀君
我請い願う
執法・収法・門法・推法・除法
散法・滅法・八部将軍・威光照見
その力もてここに降りたちて
千の災い万の邪を退けよ・・・」
呪言がカダマシの後ろから響く。その声に気づいて、彼が後ろを振り返るより速く、呪言の結句が発声された。
『水公・歳刑神連鎖縛』
大地から青く光る水色の綱のようなものが湧き上がり、それがたちまちのうちにカダマシの巨体を縛り上げていく。
「きゃああ!綾音さん!そこ・・・そこどいてください!!」
見ると、すぐ私の上まで瀬良がパラシュートで降りてきていた。どうやらうまく操縦できていないようで、こちらに向かって突っ込んでくる。
きゃあ!
慌てて逃げると、なんとか、瀬良はたたらを踏みつつも、地上に降り立つことに成功していた。ただ、その後ろに同じように降り立っていた土門は、足を絡ませて、盛大に顔からコケていた。
「ヘブっ!」
「死返玉は、あの大妖の腹の中・・・のようだ」
男性の声に振り返ると、いつの間に降り立ったのか白髪、白ひげのダンディ陰陽師、祓衆筆頭である左前がいた。
「むちゃをしすぎです!土御門様!」
「私は高所恐怖症なのです!それなのに、ヘリコプターを六合(りくごう)の風で後ろから煽るなんて・・・死ぬかと思いました!!」

