この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第72章 侵掠如火(しんりゃくじょか)
「きゃあああああああ!」
「こ・・・これは無理があるのですぅ!!」

上を向くと、パラシュートが更に三つ、空から降りてきていた。声から察するにひとつは瀬良、ひとつは土門のようだった。

あと、ひとつは無言で降りてきているし、まだかなりの距離があるのでよくわからない。

「くそお!」
ぐらりと、カダマシの巨体が動いた。大きい図体なので、一挙手一投足で地面が揺れる。将軍剣の斬撃のダメージが早速に回復してきたのか、ギロリと土御門を睨みつけてきた。

「なんだあ!テメエ!」
地に響くような咆哮を上げると、こちらを踏み潰そうと、足を上げてくる。

「名乗ったやろ?なあ?・・・大鹿島はん?」

大鹿島さんって・・・あの、祭部の?

「五方主呪咀君
 我請い願う
 執法・収法・門法・推法・除法
 散法・滅法・八部将軍・威光照見
 その力もてここに降りたちて
 千の災い万の邪を退けよ・・・」

呪言がカダマシの後ろから響く。その声に気づいて、彼が後ろを振り返るより速く、呪言の結句が発声された。

『水公・歳刑神連鎖縛』

大地から青く光る水色の綱のようなものが湧き上がり、それがたちまちのうちにカダマシの巨体を縛り上げていく。

「きゃああ!綾音さん!そこ・・・そこどいてください!!」

見ると、すぐ私の上まで瀬良がパラシュートで降りてきていた。どうやらうまく操縦できていないようで、こちらに向かって突っ込んでくる。

きゃあ!

慌てて逃げると、なんとか、瀬良はたたらを踏みつつも、地上に降り立つことに成功していた。ただ、その後ろに同じように降り立っていた土門は、足を絡ませて、盛大に顔からコケていた。

「ヘブっ!」

「死返玉は、あの大妖の腹の中・・・のようだ」
男性の声に振り返ると、いつの間に降り立ったのか白髪、白ひげのダンディ陰陽師、祓衆筆頭である左前がいた。

「むちゃをしすぎです!土御門様!」
「私は高所恐怖症なのです!それなのに、ヘリコプターを六合(りくごう)の風で後ろから煽るなんて・・・死ぬかと思いました!!」
/1067ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ