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天狐あやかし秘譚
第73章 動如雷霆(どうじょらいてい)
まあ、たしかにこの判断のお陰で私達はなんとかギリギリ助けられたわけだ。

ん?まてよ?

「ダリは、みんなが来てくれることは知っていたの?」
言うと、ダリが懐からスマホを取り出した。

「随分、便利な世になったものだな」

そこにはメールで救援に行く旨の知らせが届いていた。ダリは、救援がくることを知った上で、時間を稼いでいたとのことだった。

「確かに、妖力もなかったのでな」

すと私の方にやった目に何やら妙な色気があったので、どきりとしてしまう。
よ・・・要は・・・補給させろって・・・ことでしょ!?
お・・・終わったらね!

「でも、こんなにみんな来ちゃったら、陰陽寮の本部は大丈夫なんですか?」

そう、今ここにいるのは各衆の長、つまりは一番強い人達トップ5みたいな感じだ。陰陽寮がもぬけの殻にはなりはしないだろうか?

「その点はご心配ありません。属の術者も相当の手練れですし、何よりも、八咫烏の長『紀乃道景』様がいらっしゃいます。紀乃様の位階は『丞の四位』ですが、個体の単純な戦闘力だけ取れば土御門様より上ですから」

なるほど・・・
私は改めて陰陽寮の底の知れなさを知った気分になった。

カダマシの方を振り返ると、まだ、縛られたままだ。意識は戻っているみたいだけど、身体を自由に動かせない状況らしい。瀬良によると、大鹿島が使っているのは、妖魔の力を外部に逃がし、弱らせて捕縛することを主体とした結界で、単に縛り付けているわけではないとのことだった。
神宝が無限の力を持っているとしても、絶え間なく、その力を吸収され、発散されてはカダマシも形無し、といったところだろう。

「もうひとりの神宝使いがいるので、油断はできませんけどね」

ああ、確かにそうだ。あの痩せ男も厄介といえば厄介だ。カダマシみたいに彼自身が強いわけではないみたいだけど、何を呼び出すかわからない、びっくり箱みたいなトリッキーさがある。

「もうひとりの神宝使いと、おそらく麻衣ちゃんも、同じところにいます。でも・・・」

これだけドンパチやったんだ。こっちに来ていないとも限らない。
そう思った時、土門と大鹿島がほぼ同時に声を上げた。

「なにか来るのです!」
「皆さん、こちらに!」
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