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白昼夢
第4章 電話
私はいきなりセックスの話をされたのでちょっと焦ってしまった。
でも、そんな事はお構いなしに古川は話してくる。
「そうだよ、したんだけどさ、それが最悪でさぁ…」
「何がそんなに最悪だったの?」
「いやね、相性が最悪でさ、気持ち良くもなんもなかった…」
「そ、そうなんだ…」
私はそれ以上何も言えなかった。
でも、どこの相性が悪いと言うのだろう。
不思議に思ってこう聞いてみたのだ。
「セックスして何か相手の女の子から言われたの?」
「いや、言われてないよ…」
「じゃ、どうしてそんなに相性が悪いと感じたの?」
「それは、言葉では言い表せないよ…」
そう言うと電話の向こうでため息をついている様だった。
時計を見るとすでに10時を過ぎていた。
「昨夜寝てないから、もう寝たいんだけど?」
「あ!ごめんね、俺もまだシャワー浴びてないからさ、シャワー浴びたらまたLINEしてもいい?」
「ええ、私も一応寝てみるけどね、起きてたらLINEしましょう…」
「分かった、ありがとうね…」
「どういたしまして、じゃ、また後で…」
「うん、分かった、またね…」
こうして、初めての電話は終わったのだった。