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白昼夢
第5章 訪問
そんな挨拶を交わすとお互い笑ってしまった。
すると、古川がこう言ってくる。
「ところで、車はどこに停めたらいいの?」
私の近所には無数の畑がある。
その畑の農道に皆、車を停めていたのだ。
そこに停めて置けば警察に捕まる事はなかった。
その事を古川に説明する。
「あそこの農道に停めて置けば大丈夫よ…」
「え?あそこ?」
「そうよ…、ダメかしら?」
「うーん、あれだけの間隔を開けて縦列してるってことはさ、俺の車が入ったら後ろの車出られないじゃん?」
確かに言われてみればそうだった。
そこで、私は自宅の近所に100円パーキングがある事を思い出したのだ。
「じゃ、パーキングが近所にあるから案内するわ…」
「分かった、じゃ、車に乗って…」
私は古川に促されるままに車の助手席に乗り込んだ。
すると、古川がこう言ってくる。
「真理子さん、シートベルト締めて…」
「分かったわ…」
シートベルトを締めると“カチ”っと音がしてベルトが締まった。
その音を聞くと古川は車を走らせた。
「ちょっと私の家まで歩くけどそのパーキングでいい?」
「いいよ…」