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白昼夢
第5章 訪問
本当に騙されたのではないかと本気で思っていた。
25歳も年下の男の言う事だ。
本気にした私が馬鹿だったと感じてしまう。
でも、内心も少しだけ待ってみようと思っていた。
12時半になった頃だった。
私のスマホのLINEの電話が鳴ったのだ。
「もしもし…古川さん?」
「そうだよ、真理子さん…」
「今どこにいるの?」
「えー?分からない…どっかの倉庫の駐車場かなぁ?…」
「えー?何か目印になるものはない?」
「うーん、何とか工務店て所の隣の倉庫の駐車場にいるよ…」
「工務店ね?」
「そうだよ、俺の車ブルーだから…」
私はスマホを持ち、玄関を開けて階段を下りて外に出た。
何とか工務店?
もしかして、アパートの隣にある工務店だろうか?
そう、思い私はその工務店の隣にある倉庫の駐車場に行ってみた。
すると、どうだろう。
ブルーの車に乗っている若い男を見つけた。
「真理子さん?」
「そうよ、古川さん?」
「初めましてー、古川ですー」
「初めまして、真理子です…」