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先生♡ロリコンになってください♪
第13章 てんしの微笑みのち・・・尾行!尾行!
☆☆☆
愛里沙が屋上から降りてこようとしたちょうどその時、武内先生と風見先生は、正門を出ていた。そして、その後を追いかける小さな影。

愛里沙の気持ちを思い、何ができるわけでもないが、ついつい尾行を始めてしまった紫藤秋良が、二人から一定の距離を取り、壁にはりつき、電柱に隠れ、ポストのかげに潜みながら続いていた。

そして、二人の動向に夢中で秋良は気づかなかった。
自分を後ろから見ている、愛里沙の視線に。

「あれ?秋良・・・?何してるの?」

武内先生と風見先生が歩いている後ろをついていく秋良を見て、愛里沙がひとりごちする。よく見ると、秋良は誰かの後を尾行しているように見えていた。

この時、非常に運の悪いことに、武内先生は曲がり角を先に曲がっていて見えない位置にいたのだ。故に、愛里沙には、この場面が、こう見えた。

『紫藤秋良が、風見みゆきの後をこっそり追いかけようとしている』と。

考えるよりまず行動、がモットーの愛里沙は、この時もその行動原理に忠実に従った。すなわち、秋良の行動の意味を深く考えることなく、とにかく気になったので、追いかけ始めたのである。

「秋良が何を企んでるのか、確かめてやる!」

愛里沙の頭の中には『ミッションインポッシブル』のテーマ曲が流れていた。

こうして、極めて奇妙な尾行劇が始まった。

①ショタコンである風見先生に大人の男の良さを伝えるという使命を胸に抱き、今日こそ告白してやろうと心中ドキドキの武内先生

②武内先生から紫藤秋良の情報を聞き出して、その情報を使って、いよいよ可愛い秋良くんを手籠めにしてくれようと画策する風見先生

③武内先生が風見先生のことを好きなのを知り、可愛い幼馴染のために、なんとか邪魔することが必要なのかもしれないんだけど、本当にそんなことをしてもいいのかと葛藤しながらとりあえず二人を尾行する紫藤秋良

④風見先生に舎弟である秋良を取られるんじゃないかと気が気じゃないところに、風見先生の後をコソコソ付け回している秋良を見て、いよいよこれは浮気に違いない、浮気の代償を払わせてやると、色んな意味で見当違いの情念を燃やしつつ秋良の後をつけている二階堂愛里沙

誰一人思惑が一致していないこの状況が、一体どうなるのか・・・。
おそらく、天の使いのみぞ知るところだろう。
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