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許される条件
第5章 タイムワープ
「そ、そんな・・・バカな?」
僕は駆け寄り、顔をくっつけるようにして見たが同じだった。

「私の発明でね・・・」
男は照れくさそうに言った。

「安心してください。
時間が経過すれば自動的に戻ってきます。

ヘルメットはワープするための脳波を刺激する装置です。
反応が消える場合と強力な刺激があれば戻るのです」

男の説明に僕はホッと胸をなでおろした。
妻が手品のように消えた瞬間、僕は二度と会えないかと絶望的な気持ちになっていたからだ。

だが、安心するのは早いと思い知らされることになる。

「ついでに申し上げると、
奥様・・絵美は僕の義理の姪です」

「えぇっ・・・?」
そう言えば遠い親戚にアメリカで物理を研究している人がいると、絵美から聞いたことがある。

「相談されたんですよ、彼女から・・・」
見つめる男の目は僕の罪を全て知っていると物語っていた。

「ここに離婚届けがあります・・・」
男が差し出した書類には妻の名前と印があった。

「そ、そんな・・・」
僕の心は再び絶望の色に染まる。

やはり妻は、絵美は許してくれなかったのだ。
僕の罪を、裏切りを。

「それにしても、よりによって・・・」
戸惑う僕に男は淡々と言葉を返す。

「一番、辛い時代にという、希望でしたから」
男の言葉が胸に突き刺さる。

「もしも貴方が追いかけてくるなら・・・」
低い声が部屋に響いていく。

「それが、貴方が許される唯一の条件です・・・」
静かに見つめる瞳に僕が映っている。

「どうしますか・・・?」
男の問いに僕は躊躇いもせずに答えた。

「もちろん・・・」
握りしめた右手の指をギュッとして。

「追いかけますよ・・・」
言った瞬間、分かったのです。

僕は。
妻を愛していると。
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