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許される条件
第2章 いらだち
2023年9月20日 PM8:00
「ねぇ、ちょっとぉ・・・」
絵美がトゲのある声で囁いた。
「うん・・・?」
僕は気の無い返事をして雑誌の記事を追っている。
「もうっ、ゆう君・・優君ったら・・・」
その声がヒステリックになってきたところで、僕は顔を上げた。
「もぅ・・・」
眉をひそめた大きな瞳が睨んでいる。
妻が怒った時にみせる、いつもの表情だ。
オデコが、ほんのり赤く染まっている。
うっすら滲んだ涙がキラキラと瞳を輝かせていた。
綺麗だな、と思う。
見飽きた顔だけど、やはり美人だと嬉しく感じた。
今年の秋で結婚二年目になる。
世間では、まだ新婚気分が抜けずアツアツで羨ましいと冷やかされる時期である。
尤も大学一年の頃から付き合ってきた僕達は、もうかれこれ7年が経過している。
お互いに初恋のようなものだった。
彼女はヴァージンだったし。
僕にしろ、その頃まで経験は殆ど無くて高校時代に友人と共にパーティーのどさくさで、派手な女の子相手に童貞を失ったという程度だけど。
(だから・・・)
大学のゼミの中でもひときわ目立っていた可愛い女の子が、僕の身体の下で懸命に痛みを堪える顔を見た時の感動は今でも忘れられない。
この人を一生、愛し通そうと心に誓ったんだ。
「ねぇ、ちょっとぉ・・・」
絵美がトゲのある声で囁いた。
「うん・・・?」
僕は気の無い返事をして雑誌の記事を追っている。
「もうっ、ゆう君・・優君ったら・・・」
その声がヒステリックになってきたところで、僕は顔を上げた。
「もぅ・・・」
眉をひそめた大きな瞳が睨んでいる。
妻が怒った時にみせる、いつもの表情だ。
オデコが、ほんのり赤く染まっている。
うっすら滲んだ涙がキラキラと瞳を輝かせていた。
綺麗だな、と思う。
見飽きた顔だけど、やはり美人だと嬉しく感じた。
今年の秋で結婚二年目になる。
世間では、まだ新婚気分が抜けずアツアツで羨ましいと冷やかされる時期である。
尤も大学一年の頃から付き合ってきた僕達は、もうかれこれ7年が経過している。
お互いに初恋のようなものだった。
彼女はヴァージンだったし。
僕にしろ、その頃まで経験は殆ど無くて高校時代に友人と共にパーティーのどさくさで、派手な女の子相手に童貞を失ったという程度だけど。
(だから・・・)
大学のゼミの中でもひときわ目立っていた可愛い女の子が、僕の身体の下で懸命に痛みを堪える顔を見た時の感動は今でも忘れられない。
この人を一生、愛し通そうと心に誓ったんだ。