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卑弥呼の恋
第3章 鏡の中で
「はやて・・・」
何度、この名を呟いたことだろう。

鏡の中で。
自分の肩越しに見つめる瞳。

幼い頃から。
ずっと、好きだった。

なのに。
私は・・・。

私は。
卑弥呼。

邪馬台国の人々を。
導かなければいけない。

だけど。
疾風(はやて)。

お前を。
あぁ・・・。

今日も私は。
梯子を登る。

小さな神殿の中で。
祈祷をして、朝餉をとる。

疾風(はやて)。
お前の給仕で。

ある意味。
幸せだったのだろう。

私。
卑弥呼と。

疾風(はやて)。
お前との恋は。

後世。
どのように。

語り継がれるのでしょうね。

ふふ・・・。

それは。
誰も、知らない。

ねぇ・・・。
疾風(はやて)。

そう。
だよね?
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