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School Girl
第7章 母・恭子
 
 怪訝な面持ちでカーテンを見遣る医師。

「だ、ダメですってっ」

「…良いから開けてっ」

「今は診察中で……」

「良いからぁっ」

 荒々しく言葉を交わし合う二人の女性の声。

 情欲に飲まれた真希も、漸く異変に気付いて顔を向ける。

「此処に居るのは分かってるんだからぁっ」


…この声……
…もしかしなくても………


 余りにも聞き覚えのある声に、真希のカラダから火照りが一度に引いていった。

 肉欲を求めていた本能が理性に飲み込まれる。

「お…お母…さんっ」

 掠れながらも、真希の口から吐き出されたアニメ声。

「ほらっ! やっぱりっ」

 助けを求める真希の小さな声を聞き逃さない、過保護な恭子の凄まじい聴力。

「だ、だからっ……」

 制止する看護師の言葉を遮って、ガラッとけたたましく診察室の扉が開かれた。
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