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School Girl
第15章 衝動
 
「ったく……何でわざわざこんなトコによぉ………」

 肩まで伸びた茶色混じりの長髪を揺らして歩く痩身の男。

「……まぁ……恩があるから…文句言えねぇけどさぁ………」

「そうよぉ?」

 咥えたタバコの煙を燻らせる男の腕を抱き抱えながら、明るい茶髪の女は軽く笑みを浮かべて言葉を吐き出す。

「それにぃ……アタシの水着姿も見れたんだしぃ……文句言わないのぉっ」

「アンタの水着って言ってもなぁ……。もう…散々中身見てるしなぁ………はぁ………」

 肩に頭を寄せて歩く女を見下ろす男。

 Tシャツにジーパンという飾り気の無い女の体を見ては、溜息を洩らした。

「あら? なぁにぃ? アタシの体……何かご不満?」

 男の態度に唇を尖らせた女だったが、その表情には笑みが溢れていた。

「あ…いや……。アンタの体…いつも通り…綺麗だったから」

「あっそっ。なら良しっ」

 男のお世辞に、僅かながらに気を良くした女は、人並み程度に発育した胸を男の腕に押し当てて歩き続ける。

「ねぇえ? このまま帰るよりさぁ………途中の…ホテル……ね?」

 何が女の情欲のスイッチを入れたのか分からない男。

 しかし、男には断る術は無かった。

「……はいはい…。逃げられたのもアンタのお陰だしな……。断りませんって………」

 女の紅潮した顔を一瞥した男は、再び前を向いて歩き出す。


…今はまだ…我慢だよな……


 女に抱き抱えられた腕は疎か、男の両腕の手首には何かの跡が残っていた。


…でも…絶対………


 男は女を引き連れながら、屋内プール前の広場を進んでいった。


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