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第4章 裏切り

　
「ほら、立つんだよっ」

　小柄な真希では抗えない力で、強引に腕を引っ張る紗耶。

　無気力になっている真希を引き起こすと、引き摺るように腕を引っ張ったまま場所を移動した。

「真面目な真希ちゃんのヌード撮影でもしようかなぁ」

　公園の外れにある鉄棒の傍まで来ると、紗耶は真希のセーラー服のスカーフに手を掛けて冷酷な笑みを浮かべて言った。

「い…イヤっ…」

　『ヌード』という言葉に無気力だった真希の脳が反応した。

　外で裸を晒すなんて考えられない。

　ましてや、憎んでいると言っている紗耶が、撮影をするだけとは考えられなかった。

「ほら、大人しくしてなよっ」

　パシンッと乾いた音と同時に、頬に痛みが走る。

「痛っ」

　カラダを捩ってスカーフを取られる事に抵抗を見せていた真希の頬に、紗耶の平手が飛んだ。