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第9章 あの男が再び!!売れないホスト&ＡＶ男優ー涼ー

モニターに映し出される光景は生々しく、胸が締め付けられる思いだった。

心結の歪んでいく表情が、何人ものスマホで撮影される様子を見つめながら、小さく呟いた。

「酷いことをするな……アイドルのあんな表情をスマホで撮影するなんて……」

苦々しい呟きに、ミサが視線を投げかける。
彼女の表情には、怒りと哀しみが入り混じっているようにも見えた。

「貴方ね……他人事みたいに言ってるけど、分かってるの？　貴方を助けるために、ココちゃんは人前で抱かれたのよ……」

その言葉に、智樹の胸に鋭い痛みが走った。
どうしてもモニター越しに見ると、遠い世界のような気分になってしまう。

心結が自分のために、どれほどの屈辱に耐えたのか。その事実を思い知らされた。

「だから貴方は、今でもこうして生きていられるの。ココちゃんに感謝しなさい……」

ミサの声は決して大きくなかったが、その静かな怒りが智樹の心に深く染み込んでいく。

感謝……？

そんな簡単な言葉じゃない……

何度謝っても足りない……

何度感謝しても足りない……

智樹は自分の無力さに打ちのめされながら、嫌な予感がして、ミサに尋ねた。

「もし、あの場で俺が死んでたら……？」

ミサは静かに頷く。
智樹に向ける視線には、哀れみさえ浮かんでいた。

「そうよ。もし死んでいたら、貴方には未来なんてない。
だからこうして帰ってくることもなかったわ……」