パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第18章 心結のグラビア撮影

智樹は校舎の影から息を潜め、心結が涼と隆之社長と話している様子をじっと見ていた。

隆之社長の声は低く穏やかだが、その言葉のひとつひとつに、得体の知れない圧力を感じさせた。

「心結ちゃん、君には素晴らしい可能性がある。今から映画の撮影現場を見学してみないかい？まずプロの世界を知ることが大事だと思うのだが……どうかな？」

「……映画の撮影現場ですか？」

心結の驚きと期待の表情が見てとれる。

彼女の反応を見て、隆之社長は満足そうに微笑んだ。

「君も知ってるだろう。今、最も注目されている新城ひとみの撮影現場だ。彼女の演技を間近で見ることは、きっと心結ちゃんにとっていい経験になるはずだ」

「本当ですか？そんな機会をいただけるなんて……」

心結の声は興奮に震えていた。

隣で涼が口を挟む。

「心結ちゃんにぴったりのチャンスだよ。行ってみればどうかな？」

心結は迷うことなく頷いた。

「ぜひ行かせてくださいっ!!こんな機会、逃したくありません」

「決まりだね。それじゃあ車に乗って」

涼が黒い高級車のドアを開くと、心結は興奮した様子で後部座席にに乗り込む。

涼も続いて後部座席に乗り、車は智樹の前を通り過ぎて行った。

その一部始終を見ていた智樹は、表情を曇らせる。

「ココを……どこに連れていく気だ……」

心結の顔には明るい期待しかなかったが、隆之社長と涼の微笑みには、別の意図が隠されているように見えた。

智樹はその場で立ち尽くしながら、どうするべきかを必死に考えるが、すぐに答えが見つかるはずもない。

どこに行ったのかさえ、わからないのだから。